星の掛図 ― 2006年02月09日 06時56分13秒

『銀河鉄道の夜』の冒頭には、星座の掛図が登場しました。
掛図というのもまた懐かしく、小学校時代の甘い情調を帯びた存在で、大いに愛すべきアイテムです。
賢治が執筆にあたって念頭に置いたのではないかという、古い明治の星座掛図が東北の某資料館に保存されているらしく、私はそれを何かの本で見た記憶があるのですが、何の本だったか今ちょっと思い出せません。
写真は、1950~60年代ぐらいのもの。日食と月食の説明図です。
もとはスウェーデンで出版されたものですが、説明文はスウェーデン語のほか英独仏伊語が併記され、なかなかにぎやかです。
スウェーデンの版元からシカゴの輸入代理店、北米のどこかの小学校、カナダのアンティーク業者を経て日本の私まで…。数十年かけて西回りに地球をざっと3分の2周したという古強者。
青緑の空を背景にした、球・直線・矢印の図式的表現が、いかにも「理科室」の雰囲気です。かつての先生の声、それを聞く生徒たちの表情を想像すると、心温まる感じがします。
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