東日天文館…リーフレット(1)2006年03月05日 08時15分08秒

最近の買い物から。

昭和13年(1938)、東京有楽町にできた「東日天文館」のリーフレット(昭和15年版)。東日天文館は、前年大阪に完成した「電気科学館」に次いで、日本で2番目のプラネタリウムです。

表紙を飾るツァイスII型機の雄姿。

「天象儀」の文字がいいですね。
これを見ると、ただちに長野まゆみ氏の名作『天体議会』の冒頭の章を思い出します。(というより、この手の品から発想して長野氏は文章を紡がれたのか?)

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「…正面に見えるプラネタリウムの広告塔(ネオン)が、ぱッと黄昏のように染まる。銅貨と水蓮がプラットフォームのこの地点を好んでいるのは、ひとえにこの広告塔を見たいがためである。南十字星の煌(かがや)く夜天(よぞら)を背景に旧式の投影機を描いた広告塔は、もう相当に古びていたが“天象儀館(プラネタリウム)”と書いてあるところなど、少年たちはおおいに気に入っていた。…」
(カッコ内はルビ。銅貨と水蓮というのは主人公とその友人の名前です。)

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裏面の解説文がまた名文なのですが、それはまた明日。