ホイットオールの星座早見盤2006年03月23日 23時26分41秒


手持ちの中では、いちばん古い星座早見盤です。
1880年に出た、ホイットオール社のもの。

★Improved Planisphere No.3 of the Starry Heavens for Every Minutes.
 Henry Whitall, Phillipsburg, N.J.

昨日見た、Cary 作の品と、円盤が回転する仕組みが共通しており、これは古い星座早見の一つのパターンだと思います。

1辺の長さは、約13.5センチと、ひじょうに小ぶりです。星図部分には、黒字に白く粗略な星座絵が点描されています。若干風情に欠けますが、もともとが生徒向きに作られた簡易早見なのです。

「この小型の廉価な早見盤は、天文学を学ぶ生徒たちに主要な42個の星座を教える目的で作りました。…これによって生徒諸君が星を学ぼうという気持ちになってくれるよう望みます。その際は、是非当社のより大型の早見盤をご注文ください」云々というようなことが裏面に書かれています。

当時の天文少年のことを髣髴させるこのチープさが、むしろ「味」かもしれませんね。

Henry Whitall社は、フィラデルフィアで創業し、1850年代から80年代にかけて各種の星座早見盤を売り出した、アメリカでは老舗のメーカーです。