メアリー・ウォード著 『望遠鏡』(5)2006年03月31日 22時52分54秒

 先日もエジプト~トルコで皆既日食が見られ、ニュースでも報道されていましたが、いつの時代も日食は天文ショーの中でも横綱クラスの一大イベントです。

 当然、天文古書の中でも日食シーンは格好の画題として取り上げられているのですが、このウォード夫人の本の特色は、「自分が観察したもの以外はいっさい描かない」というストイックな姿勢にあります。

 夫人は皆既日食を見たことはなかったらしく、「日食・月食」の章でも、皆既日食ではなく、あえて部分日食の図を掲げています。そこに、この本の科学性とこだわりが出ていると思います。

 写真は、「ダブリン近くで見られた、1858年3月15日の部分日食」。上から「午前11時30分」「午後12時29分」「同1時35分」の様子です。

 雲の様子からすると、雲間からとぎれとぎれの観察だったと思われますが、雲の陰影表現がいかにもリアルです。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック