夜のグリニッジ天文台 ― 2006年04月12日 05時34分57秒
一昨日につづき、これも絵入りロンドン新聞(1880年1月31日号)に載ったグリニッジの観測風景。
ただしここで観測しているのは「星」ではなく「風」。
グリニッジは天体観測をするだけでなく、1838年に設立された気象観測部門もありました。キャプションは、「風の計測:グリニッジ王立天文台におけるスケッチ」。
一心に計器示度を読む男。風で飛びそうな帽子を思わず手で押さえる男の頭上で、ちぎれ飛ぶ群雲のあいだから、冴えた三日月が一瞬顔を覗かせています。夜半にひと雨来たのか、開け放たれたドアからもれる光が、足元で濡れたように反射しています。
なかなかドラマチックな一瞬を切り取った絵柄。
画面から雨風交じりの夜の匂いが流れてきます。
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