アンティーク双眼鏡(1) ― 2006年04月25日 06時11分46秒
双眼鏡を手にする天文少年。昭和4年『天文の話・鉱物の話』(小学生全集62)表紙
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素性の確かなアンティーク望遠鏡は、すぐ1000ドル単位の世界になってくるので、お小遣いでちょっと…というわけにはいきません。
代わりに双眼鏡(オペラグラス)ならどうでしょうか。こちらは望遠鏡に比べれば、10ドル単位の世界なので、非常に親しみの持てる存在です。オークションでもよく叩き売りされています。
当時大量に作られ、特にマニア心をくすぐるアイテムでもないためか、まともな値がつかないようです(ただし軍事用のものはまた別の市場を形成している模様)。
貧しい天文趣味人にとって、これは実に嬉しい限りです。本来は、名前の通り観劇やスポーツ観戦のためのものですが、当時から星見の道具としても重宝されたので、昔のStar Gazerをしのぶには恰好の品でしょう。
安価なレプリカ望遠鏡を買うよりは、「本物の19世紀の息吹」を伝える双眼鏡を買うほうが遥かに好ましいと、これは趣味の問題ですが、そう思います。
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双眼鏡と天文学の関わりを、Fred Watson氏がレビューしています(http://home.europa.com/~telscope/watsonbinastr.txt)。
氏によれば、双眼鏡天文学は19世紀後半に、Garrett P. Serviss という天文啓蒙家の力によって澎湃として起こり、世紀の変わり目に双眼鏡自体の技術革新もあいまって、その黄金時代を迎えたのだとされます。
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