アンティーク望遠鏡(9)…昔のカタログから(その6) ― 2006年05月08日 06時37分34秒

★3インチ「可動式」赤道儀望遠鏡(樫製三脚・伸張具付き)(3-inch "Portable" Equatorial Telescope with Oak Tripod and Stretcher)
望遠鏡本体は光沢・ラッカー仕上げの真鍮製。付属する最上等の対物レンズは、直径3インチ・焦点距離42インチ、光軸調整済みで、金属製の保護キャップ付き。80倍と150倍の天体観測用アイピースとサングラスが付属。ラック方式のピント調整機構。ファインダー望遠鏡付き。
赤道儀式架台は、きわめて堅牢な構造にして安定性があり、しかも軽量のため簡単にすばやくセットアップ可能。
緯度調節弧(latitude arc)には70度までの調節用目盛付き。望遠鏡は赤緯軸の一方の端にある受け台(cradle)に固定されており、他方の端には調整可能なバランスウェイトがついています。赤経・赤緯環は直径4インチで、目盛は真鍮に刻んであります。赤緯環は副尺(バーニヤ)と対向し、角度20秒まで読取りが可能。目盛環はラック・アンド・ピニオン式。赤緯環も副尺により角度5分まで読み取れます。赤経方向には粗動・微動可能。微動はフック式ジョイントのロッドによって、望遠鏡を覗きながら操作することができます。同様に赤緯軸に接続されたクランプも覗きながらの操作が可能。セットアップ後に最終調整するため十分な方位修正が可。
頑丈なオープン・ラス構造(open lath)の樫製三脚。足元には水平調整ねじが付いています。付属の短い鉄柱上に赤道儀を装着することで、望遠鏡の位置を高くし、天頂観測時でも三脚が邪魔になることはありません。三脚の内側に取り付けた金属円板は、伸張具の用をなすと同時に、三脚の安定性を高め、アイピース等の用具を載せるテーブルともなります。望遠鏡とアイピースを収納するためのニス塗り松製木箱付き。 <価格 60ポンド>
■メモ■
ここまでくるともう立派な研究用機材。値段が張る分説明にも力が入っています。(字ばっかりで恐縮です)
目を引くのは独特な赤道儀のデザイン。構造的にはいわゆるドイツ式ですが、極軸の高度調整部が弧状になっています。もちろん何か実際的な理由があるのでしょうが、一見して天空を狙う弓のようでカッコいい。
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