天体写真の衝撃(3) ― 2006年06月12日 06時17分01秒

★☆ 「マクミランズ・マガジン」1889年3月号
別に天文とは関係のない一般誌ですが、たまたま「天体写真 Celestial Photography」という記事が載っていたので、以前購入したもの。そのまま積ん読だったのを、今回改めて読んでみました。
記事の執筆者は、ロバート・ボール卿(1840-1913)。視力の衰えにより実観測を離れてから、著述に力を入れるようになり、晩年はイギリスにおいて最も偉大な天文啓発家でした。
記事は以下のような書き出しで始まります。
「現在、我々は実地天文学の技術がかつて経験した中でも、最大の革命的変化を経験しつつある。ヤング教授は、最近の記事の中で、これを望遠鏡の発明自体に匹敵するほどの劇的変化だと書いている…」
金属鏡の全盛期を知るボール卿なればこそなのか(彼は若い頃、バー城でロス伯の息子たちの家庭教師もしていました)、この新技術にかなり興奮気味。
もちろんボールは、その技術的可能性(長時間露出、乾板上での正確な測定、可視光外での観測)に主要な関心を向けているのですが、その筆致からも、当時の驚きと衝撃の大きさが伝わってきます。
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