部屋の風景…トビトカゲ2006年06月15日 05時59分26秒


壁にかかる額入りのトビトカゲ。
マレーシア産の土産物で、剥製というよりは「干物」に近い品。
(額の長さ 28cm)


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もう10年近く前になりますが(1997年)、「東京大学創立120周年記念東京大学展」というのが安田講堂で行われたことがあります。

東大各学部が所蔵している珍奇な資料を一堂に集めて、その歴史を回顧しようという企画。怪しげなものがズラリと並んだ様は、まさに「珍品部屋(cabinets of curiosities)」の再現であり、それが展示企画者である西野嘉章教授(博物館工学)の狙いでもあったのです。

その西野氏と荒俣宏氏の対談が当時の「芸術新潮」に載っています(1997年12月号)。

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「錬金術師の部屋をめざして」

<荒俣>
 生薬標本にも感動したね。〔…〕木製ケースのつくりもすごくて、瓶のサイズにぴったり。大したもんですよ。おまけにケースの上にワニの剥製が置いてあって…。ヨーロッパでは昔は薬屋といえば、だいたい天井からワニがぶら下がっていましたからね。大地のドラゴン・パワーにあやかるということで、教会にもぶら下がっていた。

<西野>
 錬金術師の部屋にもね。あれをやりたかったんです。

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これを読んで、我が家にもワニを…と単純に思ったのですが、いかんせん部屋が狭い。
そこで、この愛らしいトビトカゲが、ワニの代役を務めているわけです。

買ったときはそこまで意識してなかったのですが、トビトカゲ類の属名は“Draco”。
まさにドラゴンの末裔にふさわしく、部屋に怪異な味わいを添えています。