19世紀末~20世紀初めに出た「おまけ星図」(3)2006年07月14日 06時31分07秒

1892年に出た THE WORLD WE LIVE IN(Hunt & Eaton, NY)より、「北天の星座」の図(部分)。

写真ではよく見えませんが、背景は薄いブルーで、それもやはり水色の細線で表現されています。

図の右上、くじら座の真下に見えるハープの絵は「ジョージの琴座」。天文マニアだったイギリスのジョージ3世(1738-1820)を称えるための星座です。他にもアンドロメダ座の隣には、ドイツのフリードリッヒ大王を称える「フリードリヒの栄誉座(Frederick's Glory)」というのも見えます。いずれも今では使われなくなった過去の星座。また、今では単に「たて座」と呼ばれる星座も、「ソビエスキーの盾」と古風に書かれています。こちらはポーランド国王、ヤン・ソビエスキーに由来。

国際天文連合(IAU)が、現行の星座名と星座の境界を確定したのが1928年。それ以前は星図ごとに描かれる星座が微妙に異なったりしましたが、こんな「おまけ星図」にも、そうした天文史の一端が顔をのぞかせています。