天空の城、ウラニボルグ ― 2006年07月31日 22時22分15秒
※ お知らせ ※
先日、コメント欄でチラッと書きましたが、今、「夏休みの宿題」がわりに、天文関係の本の翻訳に取り組んでいます。
英語どころか日本語も怪しいのに、全く無茶な話ですが、執念が実って今その仕上げ段階に入ったところです。一応商業出版物なので、締め切り厳守。手抜きはできません。
そんなわけで、8月前半はこのブログの更新も不定期となります。最近は、目前の苦しさから逃避するために、いろいろ新しいモノを買い込んだので、ネタは潤沢ですが、如何せん文字にする時間がありません。
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さて、ブログがしばし開店休業となる前に、秘蔵の一品(←大げさ)を載せておきます。
17世紀に出版されたという、デンマークはフヴェン島の絵地図。
銅板手彩色 37センチ×49センチ
(写真左側がボンヤリ白いのは、本棚が反射しているせいです。)
フヴェン島は、ティコ・ブラーエ(1546-1601)が、デンマーク王から下賜され、ウラニボルグ(=天空の城)天文台を建てた場所です。島の中央に見えるのがそれで、左上に拡大図が載っています。
島内にはもう一箇所、ステルンボルグ(=星の城)と呼ばれた天文台もありましたが、それはウラニボルグのすぐ脇に小さく描かれています。
島はちょうど半分が集落と耕地、残り半分が荒地となっており、荒地にはたくさんのウサギが飛び跳ねているのが見えます。
この地図は、昔eBayでデンマークの業者から買いました。真正の古地図なのかどうか、時代や素性は確かか、いささか気にはなりますが、近代天文学の幕開けを象徴する壮麗なイコンとして、現在私の部屋の中央に掛かっています。
閑話休題。eBayにも歴史あり―。
数年前にくらべて、このごろ何となく出物が減ったように感じるのは私だけでしょうか? 昔はそれこそ「巨大なガレージセール」といった趣で、思わぬ珍品をしばしば目にしましたが、このごろは情報が均一化したせいか、品物自体納まるべきところに納まったせいか、全体にワクワク感が薄まったような…。
この地図はまさに「ワクワク」の部類で、お値打ち価格(←名古屋弁)で入手できたのですが、そのとき競り合った人から、後日「あの地図のことがどうしても頭から離れない…」と未練のメールが届いたりして、そんなことは後にも先にもそれっきりなので、その意味でも思い出に残る品です。
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甲子園の優勝が決まる頃に、あるいはツクツクボウシが鳴き出す頃に、また皆さんと大いに清談を楽しみたいと思います。
それでは良いヴァカンスを!
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