古絵葉書「天空旅行」より…火星2006年08月23日 06時11分40秒

天空旅行もいよいよ外惑星に向けて出発です。

今日訪問するのは、人類の想像力を最も刺激した星、火星です。

とはいえ、これはかなり脱力感のある展示。
「タコ型宇宙人 プラス 運河」によって記号的に火星を表現し、以て事足れりとする安易な姿勢が見え見えです。それに背後のモヤモヤは何でしょうか?炎?砂塵?どうも意味不明です。

もっとも、この絵葉書が出たのは1920年前後と思いますが、時代を考えれば、ただの「阿呆らしい展示」ともいえません。当時、まだ火星の運河説は(強力な反論に遭って旗色が悪かったとはいえ)完全に葬られたわけではなく、火星人の存在を声高に主張する識者も健在だったのです。その意味では、これも立派な「科学的」展示。

ちなみにタコ型宇宙人は、H・G・ウェルズの『宇宙戦争』(1898)によって決定的となったイメージ。これを原作とした、有名なラジオドラマ事件(火星人来襲のナレーションによって全米がパニックとなった事件)が起きたのは1938年なので、この絵葉書よりもっと後のことになります。

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