古絵葉書「天空旅行」より…土星2006年08月25日 07時18分31秒

天空旅行の最後は土星です。

基本的な構図は、昨日の木星とまったく同じで、作り手の想像力もちょっと枯渇気味のようです。

土星の環と本体の比率はかなりリアル。A~C環も正しく描かれているので、この辺は正確に資料に当ったのでしょう。ただし色合いは、かなりキッチュ。ピンクの環が派手に自己主張しています。(もっとも、これがオリジナルの色なのか、絵葉書を作る段階で塗られた色なのかは分かりませんが。)

手前の手すりや、左下の説明板が一緒に写りこんでいるので、実際の展示風景がよく分かります。

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以上、80年あまり前、東京の百貨店というシチュエーションで、宇宙がどう人々に提示されたかを見てきました。

「天空旅行」の名前の通り、単純な「名所百景」的な展示・鑑賞がなされていたことが絵葉書から見てとれます。「知」よりは「視」を重視する姿勢。

デパートの催事とはいえ、スペースサイエンスそのものの現状と課題を伝えようという、教育的努力が少ない点も、現代とはちょっと感覚が異なるようです。

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