アルヴァン・クラーク社とヤーキス天文台2006年08月29日 21時20分21秒


昨日登場した、アルヴァン・クラークについて一寸補足しておきます。

アメリカ屈折望遠鏡界の雄、アルヴァン・クラーク社(Alvan Clark & Sons )は、1846年にマサチューセッツで誕生しました。

創設者は、父親の Alvan Clark(1804-1887)、息子の George Basset Clark(1827-1891)、同じく Alvan Graham Clark(1832-1897)の3人です。父親の Alvan は、もともと肖像画家として出発し、一流のレンズ作者に転身したという変り種。

同社は、1933年に Sprague-Hathaway Manufacturing 社に買収され、1958年に親会社の倒産により最終的に消滅しました。

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同社はアマチュア市場向けの小型屈折望遠鏡のみならず、プロユースの巨大なレンズ製作にも力量を発揮しました。

1897年に完成した史上最大の屈折望遠鏡、シカゴ近郊のヤーキス天文台が誇る40インチ対物レンズも同社の製品です。

その勇姿はすでに紹介済みなので(http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/02/04/239077)、今日は天文台の外観を掲げます。中身に劣らず威風堂々とした白亜の大建築。1908年ころ投函された絵葉書です。