月の早見盤(その2)2006年09月12日 17時27分58秒

(表がびっしり載った早見盤の裏面〔部分〕。解説書よりスキャンしたもの。)


さて、これを使ってどのように月の位相・位置を求めるのか?

* * * * * * * 

早見盤の裏面には、表1から表9まで、9個の表が印刷されています。

■ステップ1
表1~4を使って、調べたい西暦年月の「千百年(上2桁)」、「十年(3桁目)」、「年(4桁目)」、「月」の数字に対応するN1~N4の数字を見つけ、それらを合計し、合計が360より大きい場合は360を引きます。その答が「昇交点黄経N」の値です。

■■ステップ2
同じように、表1~4のP1~P4の数字を合計すると「近地点黄経P」の値が出ます。

■■■ステップ3
今度は表5~9を用いて、調べたい西暦年月日時に対応するM1~M5の数字を合計すると「離角M」の値が出ます。

■■■■ステップ4
白道盤をNの位置に、離角盤をPの位置に、位相盤を月日の位置に、指針をMの位置に回してください。

さあ!これで希望の年月日における、月の離角・黄経・黄緯の値や、星図中でどの星座付近にあるか、満ち欠けの具合はどうか、すべて分かります。

* * * * * * * 

…という具合なのですが、ウムム、なかなか手ごわいですね。正直、よく分かりません。たぶん、この操作の難しさが普及の妨げとなったのでしょう。

しかし、当時これを手にした少年少女は、月の位置・位相を知るのは、星座の見え方を知るよりも、はるかに複雑な作業であることを直覚したでしょうし、それだけにこの早見盤を使いこなせたときには、学問の蘊奥に触れ、誇らしい気分を味わったことと思います。