『若い女性の天文学』(2)2006年09月30日 19時29分57秒


しばらくのご無沙汰でした。もう9月も終わりですね。
校正の仕事がようやく終わり、ホッとしています。
鳴き盛る秋虫の声を聞きながら、そろそろブログの方を再開します。

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さて、前回までバートレットの『若い女性の天文学』という本を手がかりに、女性と天文学の関係、さらには多世界宇宙論にまで論を進めようという意気込みだったのですが、いささか荷が勝ちすぎました。グイと大上段に振りかぶったものの、手のやり場に困った感じです。

そもそもが、具体的なモノを通じて、天文趣味や理科趣味の香気に触れようという気楽なブログですので、知ったかぶりをして駄文を草するのはやめにします。

…というわけで、話の方は竜頭蛇尾なんですが、他の話題に移る前に、この本の中身について簡単にご紹介しておきます。

著者によれば、この本は1820年に催された、若い女性を対象とする天文教室での講義が下敷きになっているそうです。

太陽、惑星、衛星、彗星といった天体は当然として、他にも大気や風、地球儀の使い方などの章も設けられているのが時代を感じさせます。そして章ごとに、例えば、「土星が天文学者の興味をこれほどそそるのは何故でしょう?」「彗星は一般にどんな外見をしていますか?」「黄道帯について説明しなさい」…等の質問と、それに対する答が、ずらずら続きます。中身はほとんど字と数表ばかりなので(上の写真参照)、ビジュアルな面白さはあまり期待できません。