ウィーン大学天文台 ― 2006年10月07日 08時50分32秒
1898年の消印のある古絵葉書。
現在も使われている、この堂々たる建築は、1874年に建てられました。
絵葉書では分かりにくいのですが、公式サイト(http://www.astro.univie.ac.at/)の表紙を見れば分かるとおり、ラテン十字型の平面プランで建てられています。明らかに教会建築の意匠を取り入れた作品。「天上の神を拝する聖なる場所」、というわけでしょうか。
絵葉書は西北方向から撮った写真で、左から北ドーム、東ドーム、中央大ドーム、西ドームが写っています(正面玄関は南側なので、ここには写っていません)。
設計者はフェルディナンド・フェルナーとヘルマン・ヘルマーで、当時はむしろ劇場建築家として有名な人物だったそうです。
19世紀のオリジナルの状態では、中央の大ドームには、当時世界最大を誇ったグラブ製27インチ屈折が、東ドームにはクラーク製12インチが、西ドームにはフラウンホーファー製6インチが、北ドームには彗星探索用望遠鏡が設置され、さらに中央ドームと他のドームを結ぶ回廊部には、各種の子午線観測機材が置かれていました。非常にぜいたくな構成です。
デザインといい、機材といい、フランツ・ヨーゼフ1世治下のオーストリア=ハンガリー帝国の威信を示すに足る大天文台です。
コメント
_ トコ ― 2006年10月07日 21時00分59秒
_ 玉青 ― 2006年10月08日 07時07分42秒
トコさま、はじめまして。
>ノスタルジックな匂いのする、木造校舎や理科室、
>そこにある備品の数々に魅せられています。しか
>し、そのアイテムにめぐり合う機会は少なく…
そうなんですよね、私もなかなかそういう場所に行き当たらず、やむなく自分でこのページを作ったという経緯があります。我ながら暗い趣味、と思うことがなくもないですが、それだけに同じ趣味嗜好の方に出会うと、荒野で旅人に行き会ったような、夜道で人家の灯を見つけたような、ホッとした気分になります。
トコさまのサイトも拝見しました。さっそくお気に入りに追加。イベント紹介欄にある陰影のある展示風景、ああいう空気に私も強く強く惹かれます。
「惑星巡回写真展」のちょうどひと月前に、惑星巡りの古絵葉書を、このブログでもシリーズで紹介したので、その偶然も嬉しかったです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
>ノスタルジックな匂いのする、木造校舎や理科室、
>そこにある備品の数々に魅せられています。しか
>し、そのアイテムにめぐり合う機会は少なく…
そうなんですよね、私もなかなかそういう場所に行き当たらず、やむなく自分でこのページを作ったという経緯があります。我ながら暗い趣味、と思うことがなくもないですが、それだけに同じ趣味嗜好の方に出会うと、荒野で旅人に行き会ったような、夜道で人家の灯を見つけたような、ホッとした気分になります。
トコさまのサイトも拝見しました。さっそくお気に入りに追加。イベント紹介欄にある陰影のある展示風景、ああいう空気に私も強く強く惹かれます。
「惑星巡回写真展」のちょうどひと月前に、惑星巡りの古絵葉書を、このブログでもシリーズで紹介したので、その偶然も嬉しかったです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
_ 玉青 ― 2006年10月08日 07時43分17秒
>我ながら暗い趣味、と思うことがなくもないですが、
>それだけに同じ趣味嗜好の方に出会うと、
これだけ読むとトコさんも「暗い趣味」と言っているに等しいように読めますが、決してそういう趣旨ではありません。
「暗い趣味」という表現がダメでしたね。「陰影のある趣味」に訂正します。(言わずもがなだったかもしれませんが…)
>それだけに同じ趣味嗜好の方に出会うと、
これだけ読むとトコさんも「暗い趣味」と言っているに等しいように読めますが、決してそういう趣旨ではありません。
「暗い趣味」という表現がダメでしたね。「陰影のある趣味」に訂正します。(言わずもがなだったかもしれませんが…)
_ トコ ― 2006年10月09日 22時06分15秒
ご返信ありがとうございます。
「暗い趣味」「陰影のある趣味」にはとても共感します。ノスタルジーなど、自分の体験や内なる思いがこの趣味の原動力になっている気がします。なかなかそれを外に出す機会がなく、更に内へ内へと向かってしまうんですよね。チームを組むスポーツなどと違って孤独な趣味ですが、玉青さんのおっしゃるとおり、仲間に出会えたときの喜びは格別です。
サイトをお気に入りに加えてくださってありがとうございました!惑星の葉書の偶然、嬉しいです。そして最近の記事にありました惑星早見表も素敵でした。これは…組み立てキットとして作ってみたいです…(←もの作り好きの病気です)。
さて、日、月と実家に帰っておりましたので、お返事が遅くなってしまいました。最近、野尻抱影の著書を読む機会がありましたので父に尋ねたところ、抱影どころか他のアマチュア天文家の名前もスラスラと出てきたので驚きました。実は仲間がすぐ近くにいたことが判明しました(笑)。
稲垣足穂も名前は知っていましたが、玉青さんのブログを拝読して「これは是非読まなければ!」と思いました。タイミングよく、ユリイカの9月臨時増刊号で彼の総特集をやっておりましたので、これを手始めに読み進める予定です。
それでは、長々と失礼いたしました。
「暗い趣味」「陰影のある趣味」にはとても共感します。ノスタルジーなど、自分の体験や内なる思いがこの趣味の原動力になっている気がします。なかなかそれを外に出す機会がなく、更に内へ内へと向かってしまうんですよね。チームを組むスポーツなどと違って孤独な趣味ですが、玉青さんのおっしゃるとおり、仲間に出会えたときの喜びは格別です。
サイトをお気に入りに加えてくださってありがとうございました!惑星の葉書の偶然、嬉しいです。そして最近の記事にありました惑星早見表も素敵でした。これは…組み立てキットとして作ってみたいです…(←もの作り好きの病気です)。
さて、日、月と実家に帰っておりましたので、お返事が遅くなってしまいました。最近、野尻抱影の著書を読む機会がありましたので父に尋ねたところ、抱影どころか他のアマチュア天文家の名前もスラスラと出てきたので驚きました。実は仲間がすぐ近くにいたことが判明しました(笑)。
稲垣足穂も名前は知っていましたが、玉青さんのブログを拝読して「これは是非読まなければ!」と思いました。タイミングよく、ユリイカの9月臨時増刊号で彼の総特集をやっておりましたので、これを手始めに読み進める予定です。
それでは、長々と失礼いたしました。
_ 玉青 ― 2006年10月10日 06時37分11秒
そうそう、ユリイカの足穂特集。うちの奥さんが買う買うと言ってましたが、買ったのかな?まだだったら買いに走らねば。
足穂の命日まであと2週間と1日。お盆のときには、天文台とヒコーキの絵葉書をお供えしましたが、また供養の品を探そうと思います。
抱影翁の命日も今月30日でしたね。まあ、あまり人の忌日ばかり気にするのも、お寺の和尚さんみたいで何ですが。
足穂の命日まであと2週間と1日。お盆のときには、天文台とヒコーキの絵葉書をお供えしましたが、また供養の品を探そうと思います。
抱影翁の命日も今月30日でしたね。まあ、あまり人の忌日ばかり気にするのも、お寺の和尚さんみたいで何ですが。
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私も、ノスタルジックな匂いのする、木造校舎や理科室、そこにある備品の数々に魅せられています。しかし、そのアイテムにめぐり合う機会は少なく、このブログを見つけたのは本当に幸運でした。
古い、角がついている星座早見表など、小さな寫眞を飽きもせず眺めてしまいました。いつか自分で作ってみたいアイテムのひとつです。しかも天文関連のお話だけではなくて、ステレオ寫眞や理科室のことまであるなんて!
ざっと拝読させていただきましたが何せ内容が盛りだくさんなので、これからも少しずつ、読み進めたいと思います。
こんなステキなブログを作ってくださってありがとうございました!これからも楽しみに読ませていただきます。