東大総合研究博物館 「驚異の部屋」 展のことなど2006年11月12日 21時08分42秒

↑ 東京大学総合研究博物館・小石川分館(旧東京医学校本館)

昨日はハーシェル協会の年会に出る前に、東大の総合研究博物館(本郷)とその小石川分館をはしごしました。現在、前者では「Systema Naturae -標本は語る」他、後者では「驚異の部屋 -The Chambers of Curiosities」展が開かれています。

●同博物館サイトより<現在の展示>を参照してください。
 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/index_present.html

いずれも東大所蔵の学術標本(中にはずいぶん古いものも含まれます)が大量にディスプレイされ、理科室趣味の徒にとっては陶然となる空間です。

特に小石川はよかったです。

冷たい雨がしとしと降る日で、庭園の池には無数の波紋ができては消えていました。落ち葉でつまった雨どいから雨水がチョロチョロこぼれ落ちる脇を通って館内へ。

館内はしんと静まりかえり、入り口にも入館者ノートが置いてあるだけで、係の人もいません。

雨の音を聞きながら、ゆっくりと1時間ほどかけて館内を回りましたが、最初から最後まで、本当に観覧者は私一人だけでした。途中、「よくいらっしゃいました」と職員さんが窓ガラスを拭きに来られましたが、行き会ったのはその方だけです。「撮影もどうぞご自由に」という大らかさ。何か奇跡のような、本当にぜいたくな時間でした。


鉱石、貝、人体模型、骨格、壜詰め標本、古い版画、古風な机とキャビネット、真鍮製の顕微鏡と望遠鏡。館内に漂う微妙な標本の匂い。本当に夢のような空間です。

そのあとで見た本郷の本館の方は、展示内容はともかく、「空間の豊かさ」という点では小石川には及びませんでした。

しかし、しかしですよ。そこでなんとトコさんにばったり会って、初対面のあいさつを交わしました。考えてみれば、尋常でない経験ですね。これは偶然か必然か、いずれにしろ大いに不可思議な思いがしています。

東大 「驚異の部屋」 展のことなど…展示風景(1)2006年11月12日 21時27分51秒

タイトルどおり展示風景です。

フラッシュをたいたので、ちょっと画面が平板です。実際はもっと深みのある空間です。