稲垣足穂の世界2007年01月14日 21時54分02秒


●「太陽」1991年12月号
  特集 稲垣足穂の世界 TARUHOSCOPE 33

この前、「太陽」の澁澤龍彦特集号を買った際、足穂の特集も見つけて一緒に購入。

特集の副題からも分かるとおり、足穂世界のキーワードを33個集めた随想集の体裁を取っています。月(竹宮恵子)、数学(森毅)、キネオラマ(久世光彦)、髑髏(養老孟)…というのは、わかり易い人選ですが、こういった人たちが足穂について文章を書いているのが、意外といえば意外。

そういえば澁澤龍彦の最初の妻である、矢川澄子さんも「色鉛筆」という文章を書いています。

以下、33のキーワードを並べると、

  少年 月(ルナ) 天体 数学 ヒコーキ 星 色鉛筆
  A かものはし チョコレット シガレット 三角形
  シネマトグラフ サドル 壜 弥勒 キネオラマ 軍艦
  ゼンマイ 菫色 未来派 パル・シティ 禁欲 箱
  放浪 ヴァリアント 逆流 天狗 におい 電飾 光
  髑髏 美少女

となっていて、見ていると、あの足穂の海坊主のような異相が、文字の背後にチラチラする感じがします。

 ×  ×  ×

ところで、この特集の厭なところは、撮り下ろしの写真のモデル。いい歳をした青年なのに、少年のふりをして半ズボンをはいたり、裸体をさらしたりしているのが不愉快。あえてそれを狙ったのか?しかし、成功していないと思う。