美しきデロール…2007年03月25日 21時09分18秒

↑1900年ころのデロール店内
(出典:今森光彦著『好奇心の部屋デロール』、福音館書店)

現実のデロールにはいい思い出がありませんが、心の中の、イメージとしてのデロールは美しいままとっておこうと思います。

19世紀の香気を伝えるパリの博物商。
店内には動物界・植物界・鉱物界にまたがる、あらゆる種類の標本・剥製が所狭しと置かれ、ガラスケースはきらめき、無数の抽斗は宝物を蔵して並び、壁には美しい博物画が彩りを添える…。
何とも美しいイメージではありませんか。

“デロールは遠くにありて思ふもの。”

恨み節っぽい感じが無きにしもあらずですが、デロールの形見の品を少しずつ掲載していこうと思います。

 □  □  □  □

ちなみに上の写真。

右側の棚には顕微鏡がぎっしり並び、天井からは人骨がぶら下がり、手前の部屋には各種の物理実験器具、奥の部屋には三脚に載った望遠鏡や、生物学標本が見えます。剥製がメインの現在の店内とはだいぶ様子が違います。

昔の方が、より理科室趣味に富んだ空間であったことが分かります。

コメント

_ john ― 2007年03月25日 23時36分21秒

はじめまして。
人体模型のコレクションはどこまで進みましたか。
集合写真をお願いします。

_ 玉青 ― 2007年03月26日 23時22分10秒

私は人体模型のコレクター(!)ではありませんが、その系統の人たちは↓に集まって写っています。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2007/02/24/1206470

そういえば以前、古い人体模型が2体同時に出品されたことがあって(出品者は別の人)、結果は、1体は3千円、もう1体は9万円で落札されました。

それを見て、「9万円あれば前者が30体買えるなあ…それだけあれば小学校のクラスが1つできるぞ」と思い、そのイメージがヴィヴィッドに脳裏に浮かんだことを覚えています。

その教室に入ると、30体の人体模型といっせいに目が合うわけで、その場面を想像すると、ちょっとゾクッとします。

_ icco ― 2007年04月01日 09時09分40秒

そういえば、以前の記事で玉青さんの目指すものとして「理科室風書斎」とありましたが、その後いかがでしょうか。紹介された様々なものがお部屋にあるとすれば、すでに完成されているのでしょうか。
テーマを持って部屋を作るのは、何だか自分だけの空間というか世界を作るような気がして、完成すると誇らしさを感じそうですね。

30体の人体模型と目が合ったら…確かにゾクッとしますね。

_ 玉青 ― 2007年04月01日 09時40分47秒

iccoさん、おはようございます。

理科室風書斎は、着々と構築されつつありますが、ただし「完成」することは永遠にないでしょう。理科室化に終わりなしです。まあ、あんまりやり過ぎると、ホラーな雰囲気というか、化物屋敷じみてしまうので、その辺の加減が難しいです。

今日の記事(4/1)にも書きましたが、古風な、魔術めいた雰囲気になればなったで、それも良いとは思うのですが、家族の不評を買うことは必定です。

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