ガリレオと天文趣味…ニコルソン著 『科学と想像力』2007年04月03日 21時12分06秒

ガリレオの『星界の報告』 (1610) を画期として始まった、天文趣味の歴史。

ガリレオの直接的影響がいかに急速に、かつ広くヨーロッパ世界に及んだかは、マージョリー・ホープ・ニコルソン女史の『科学と想像力』(Science and Imagination, 1956 [第2刷1962], Cornel Univ. Press)に詳述されています。

今回ガリレオについて書くにあたって、この本をきちんと読もうと思ったのですが、なかなか時間がとれず、未だに中途半端なままです。

とりあえず同書の目次だけ挙げておくと、これはいくつかの論文集の体裁をとっており、

1.望遠鏡と想像力
2.「新しい天文学」と英国の想像力
3.ケプラー、『ソムニウム(夢)』、そしてジョン・ダン
4.ミルトンと望遠鏡
5.スイフトの『ラピュータへの旅』における科学的背景
6.顕微鏡と英国の想像力

の全6章から成ります。ティコ・ブラーエ、ケプラー、そしてガリレオといった人物によって幕を開けた「新しい天文学」が、いかに当時の文学的営為に影響を及ぼしたかを、同時代の資料によって丹念に跡付けています。

ニコルソンの著作は、日本でも高山宏氏らによって翻訳紹介されていますが、この初期の重要な著作が未訳となっているのは惜しまれます。