ドレイパーもの…望遠鏡(2)2007年04月25日 22時12分01秒

↑昨日の写真の一部拡大

(昨日のつづき)

★「この架台は、おそらく日食観測の遠征の際…使われたものではないでしょうか。ドレイパーは、コロラドで日食観測をした際に健康を害し、それが元で亡くなりました。うろ覚えですが、彼は確か南北カロライナ州への日食遠征にも参加していたはずです。…写真の望遠鏡の正体が何か、正確には分りませんが…あるいはある種の分光器用かもしれません。(T氏)」

★「この赤道義は緯度調整が可能であり、したがって遠征用の機材だろうというTさんの考えは頷けます。そのスタイルは、金星の日面通過を観測する際使われた、クラーク製の架台にとてもよく似ています。(B氏)」

★「これはまさしくドレイパーの関係する望遠鏡に間違いありません。2,3年前、私がヘイスティングス・オン・ワイ歴史協会-そこで私はドレイパーのオリジナル主鏡を発見しました!-の倉庫と文書庫を調査する機会を与えられた時、私は同じ写真をスキャンしています。私の記憶によれば、この機材は既に存在しませんし、これ以上詳しい情報も不明でしょう。私の記憶違いならばいいのですが…。(M氏)」

★「アンティーク望遠鏡と関連資料を収集することの醍醐味は、そうした品の来歴を調べることであり、それはダチョウを追う喜びにも通じます。日食遠征については、通常詳しい資料が残されていますし、そこには機材についての詳しい説明も書かれています。私自身はドレイパーの日食関連記録を見たことはありませんが、それは必ずどこかに存在するはずです。(前出B氏)」

★「短い方の望遠鏡は、一見アストログラフ(天体写真儀)のように見えますが、接眼鏡を複数挿せるようになっていることから、その見込みはなさそうです。長い方の望遠鏡は、たぶんガイド用。2つとも口径5インチと見てまず間違いないでしょう。 そこから連想するのは、ドレイパーが1878年7月28日に太陽のコロナを撮影していることです。…使用機材は口径5インチ、焦点距離78インチ…これは、写真に写っている長い方の望遠鏡と酷似しています。したがって、この望遠鏡は写真観測の際に用いられた可能性が高いと思います。…コロラド日食と言えば、私は海軍天文台の日食報告集のコレクションを持っていますが、そこにはドレイパーとその機材の詳細も含まれていると思います。残念ながら、私の書庫はここ数ヶ月来すっかり傾いてしまって、資料を探すのも一苦労なのですが、もし見つかったらお知らせしましょう。(別のB氏)」


うーむ、げに恐るべきマニア道。
というわけで、この写真とドレイパーとの関係が判明したので、今回の<一括購入品>は、いよいよ素性の確かなものと思われてきました。

人のふんどしで相撲をとって恐縮ですが、今回は謎解きのスリリングな面白さを堪能しました。