続・月のステレオ写真2007年05月02日 21時07分23秒

トコさんから昨日の記事にコメントを頂いて、大いに納得です。ありがとうございました。

ちょっと勘違いしていたんですが、ステレオ写真を撮る場合、2枚のレンズの距離を人間の両眼の間隔に合わせる必要はなかったんですね。すなわち距離を縮めれば小人の視覚、距離をあければ巨人の視覚というわけです。大人と子どもで世界の見え方が違うのは、目線の高さばかりでなく、両眼距離の影響もあった、ということを新たに発見。

対象までの距離が両目の間隔の30倍というと、人間のプロポーションでいえば大体2メートル弱で、そのあたりから眺めたときが、一番ヴィヴィッドに立体感を味わえるという、これはたぶん経験則なのでしょう。

計算してみると、これはちょうど2度の視角を張る距離になりますが、件のステレオ写真もそれぐらい角度が振れているように見えます。あれは明らかに狙った写真ですね。昨日の記事では、「月の秤動、いわゆる首振りを利用して別々に撮った写真を組み合わせただけ…」と、ネガティブな書き方をしたのですが、月を立体視するために秤動を利用したというのが素晴らしいアイデアで、むしろそこに感服するべきでした。

で、あの写真は身長34万キロメートルになんなんとする巨人の視覚というわけで、何とも悠然たる話です。

今日の写真は既出(http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/07/26/461725)ですが、キーストーン社の製品。こちらはアメリカのヤーキース天文台の写真が元になっています。たぶん20世紀前半の品。

折りしも今宵は満月…●

コメント

_ さかなちゃん ― 2008年01月04日 09時52分57秒

過去にさかのぼってコメント失礼します。
小生の上記ブログにおいて、月のステレオ写真をググりまして、貴ブログを紹介させていただきました。前後を拝読すると、ステレオビューアー関連の書き込みもありましたので、改めてご挨拶のコメントをさせていただきました。ちょうど、ビューアー関連の話題をこれから続出させていく予定です。リアリスト版のビューアー以外にも様々なビューアーがあります。実はナチスドイツ空軍の航空偵察用トポグラフ(立体鏡)をオークションで落としそこねました。ステレオマニアには垂涎の品ですが、ナチスマニアにも同様なので非常に残念です。国産ですと日本光学と東京光学の製品が戦前、戦後にもあるようです。

_ 玉青 ― 2008年01月04日 23時56分03秒

さかなちゃんさま(と、お呼びすればよろしいでしょうか)、はじめまして。

拙ブログをご紹介いただき、ありがとうございました。

お書きになった記事を拝見しました。月のステレオ写真について、詳細な考証を読み、改めて納得できたことが多かったです。私の方はごくごくいい加減に書いてしまったので、お恥ずかしい限りですが、こんなちゃらんぽらんな記事でも、お役に立つなら幸いです。

去年この記事を書いたときは、ステレオ写真について適当な情報がなかなか見つからず、苦労した覚えがあります。手元にはまだ何枚かステレオ写真があるので、今度記事を書く際には、ぜひさかなちゃんさん(やっぱり据わりが悪いですね)の記事を引用させていただきたく思います。その節はどうぞよろしくお願いいたします。

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