『立体で見る [ 星の本 ] 』2007年05月03日 20時17分12秒

↑外箱(左)と本の中身

さて、昨日の記事を書いたあとで、「むぅ、もっともっと巨人化したら、星の遠近感も見えてくるのでは…」と思った瞬間、「あ、そういえば…」と思い出したのが、この本。

★立体で見る [ 星の本 ]
 杉浦康平 + 北村正和、福音館書店、1986
 (手元にあるのは1994年の第24刷)

薄紫の紙に、赤と青で星が印刷されていて、赤青のセロハン眼鏡で覗くと、星座が見事に浮き上がって見える仕組み。

載っているのは、「5等星までの全天の星と球状星団、銀河系外星雲、やく2600個」で、それを 50光年以下、51~100光年、101~200光年、201~500光年、501~1,000光年、1001光年以上 の6段階に分けてプロットしてあります。

文句なしにいい本ですね。初版以来20年、いまだに版を重ねているのは素晴らしい。この本は児童書に分類されていますが、鬼才(奇才)・杉浦康平氏がその真骨頂を発揮した快作だと思います。

もちろん、この本は単なる思いつきだけで出来たわけではなく、地道な計算と、気の遠くなるような作図と製版作業を経て、最初のプロトタイプの出現(1973)から最終的な完成まで、実に13年間を要した…と解説文にはあります。

なお、この星座図は最初、あの『全宇宙誌』(1979)(※)に掲載される予定だったとのこと。

(※)http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/12/18/1035404