戦前の理科実験2007年05月11日 23時55分19秒

最近の買い物から。
また戦前の理科室絵葉書を入手しました。

ちょっとゴチャゴチャして見にくいのですが、理科室は今、実験の真っ最中。坊主頭の男の子たちが、真剣な顔つきでフラスコに液体を流し込んでいます。ちょび髭を生やした先生が、教壇の上から、いかめしい態度でそれを見下ろしています。

黒板の文字からすると、食塩に濃硫酸を注いで、塩酸ガスの発生を観察している場面のようです。ちょっと危険を伴う実験なので、教室の空気もかなり張り詰めています。オリジナルの絵葉書だと、一人ひとりの表情もよく分って、その場の空気がリアルに感じられます。

右下のキャプションには「大連尋常高等小学校 理科実験」とあって、これは外地の小学校の絵葉書。ちょっとおさらいすると、大連は中国東北部の都市で、日露戦争後にロシアから租借権を割譲され、太平洋戦争終結まで日本が統治していました。

少年たちの中には、かすりの着物姿もチラホラ見えて時代を感じます。たぶん大正中期~昭和初年ぐらいの校内風景でしょう。