A. ギユマン 『彗星』 (2)2007年06月02日 23時28分32秒

ギユマンの本として、以前 『天空』 を取り上げました(http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/06/18/410410)。

『彗星』のタイトルページで、ギユマンは「『天空』 の著者」と紹介されていますが、『彗星』 は、『天空』 と同じ出版社、同じ挿絵画家によって生み出された、いわばその続編的な性格の本です。

巻中には 『天空』 と同様の素晴らしい星景画 ― もちろん彗星がテーマの ― が収められています。

写真は1843年の大彗星。同年3月19日、パリ上空の眺めです。
すばらしく長大な、白銀の尾が、真一文字に空を横切っています。非常にすっきりとした印象の彗星であり、絵ですね。

微細でリアルな街並みや、夜空の微妙な色合いにも、並々ならぬ彫りと刷りの技量がうかがえます。