大星図展(1)2007年07月05日 06時25分36秒


東京天文台を後にし、7月1日に訪れた、千葉市立郷土博物館に話を進めます。
今回訪問したのは「お城のプラネタリウム-40年の軌跡-」という企画展を見学するためでした。「お城の―」というのは見ての通りです。

その展示室は、いかにも昭和40年代チックな、何となくショボイ感じもあって(失礼)、そこに古めかしい天文書が並んでいるだけなので、世間一般の目からすると「ふーん…」で終わってしまいそうです。

しかし、星図の歴史に関心のある人ならば、その豪奢なコレクションに頭を殴りつけられたような衝撃を覚えることでしょう。「え、何でこんなものがここにあるんだ!?」という驚き。オリジナルだけ挙げても、16世紀のピッコロミニ星図やアピアヌスの「天文学教科書」、グロティウスの星座図帳にはじまり、17世紀のバイヤー星図にシラーのキリスト教星図等々。…いやはや!

ところで、なぜこの博物館は星図のコレクションを始めたのでしょうか。それは中世の千葉を治めた土豪、千葉氏の歴史をたどることが、この館の目的だから…らしいです。(※)

つまり、千葉氏は月星紋を家紋とし、妙見菩薩(北極星または北斗七星を神格化したもの)を尊崇していました。そして千葉氏と星との縁から、星に関する資料を集め出したらしいのですが、不思議なことに、そのことの説明が館内には見当たりません。

ともあれ、現在のコレクションは、そんな理由付けなど既にどうでもいいような、至極マニアックなレベルに達しています。これがニューヨークの大富豪のコレクション…というなら分るのですが、一地方自治体にこれほどの収集が可能だったというのが、何とも不可思議。まあ、時代も良かったのでしょう。

入館者も少なく、静かな環境で好きなだけ見ていられたのも、人ごみの苦手な私には嬉しい点でした。(しかも入館料60円ですよ!)


※付記: これは展示内容から個人的に想像した、まったくの憶測です。違ってたらゴメンナサイ。

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