東京天文台(補遺)…子午儀 ― 2007年07月11日 20時40分19秒
さて、小さな「旅」の報告も終わりましたが、先日の国立天文台の記事は、外回りの写真ばかりで、内部の写真が1つもなかったので、「補遺」としてクラシックな味わいの物をいくつか載せます。
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まずは現在資料館ともなっている、大赤道儀室の陳列物から。
写真は19世紀の子午儀です。傍らには、「国立天文台に現存する中で最古の望遠鏡」という説明書きがありました。
本体には、“Troughton & Simms, London 1875” の刻印が読み取れます。
トロートン家とシムズ家は、ともに18世紀から科学機器の製造販売に携わった老舗ですが、1820年代に合併して、トロートン・アンド・シムズ社となり、さらに1世紀後の1922年に、やはり老舗の光学機器メーカー、グラブ・パーソンズ社に吸収されて、最終的に1985年までその系譜は存続しました。
(ここに限らず、光学機器メーカーは古いルーツを持つところが多く、またメーカー相互に複雑な人脈があって、外から見ると一寸秘密めいた感じがします。)
1875年製のこの機材は、トロートンの製品としては、決して古いものではありませんが、それでも19世紀の貫禄十分。ブラスの輝きに渋さが感じられます。
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