東京天文台(補遺)…子午環2007年07月13日 19時56分30秒


ゴーチェ子午環室の内部。
巨大な環にはさまれた、大砲のようにぶっとい望遠鏡がドーンと目に飛び込んできます。

「子午環は、子午線上の天体の位置(赤経と赤緯)を精密に観測できるように工夫された望遠鏡です。そのため、子午線面内(南北方向)にのみ正確に回転する仕組みになっています。このゴーチェ子午環は1903年フランス製で、1904年に当時の価格にして約2万円で購入されました。その頃天文台があった港区麻布の地でしばらく試験的に使用されましたが、1924年に天文台が三鷹へ移転した後、主要観測装置として本格的に稼動し、恒星や月、惑星の位置観測に長い間活躍しました。

〔…〕1982年には、新しくできた自動光電子午環と交替して、第一線を退きましたが、1992年より10年間程、再び最新のCCDマイクロメーターを装備してクェーサーをはじめとする微光天体の精密位置観測に活用されました。」(解説板より)

室内の木味(きあじ)がいいですね。古めかしい木の脚立もいいし、すすけた壁の質感も素敵です。そして古風な子午環のデザインとあいまって、全体に人間味のある古き「科學(←旧字体)」の面影が感じられます。

20世紀末になってからも、最新の研究に使われたというのは頼もしい話。元々よほどしっかり作られた機材だったのでしょう。

コメント

_ ハイパチ ― 2007年07月14日 08時52分55秒

わーっ、すごいですね。
ここは、見せて頂いたことがありませんでした。
中核の施設だけあって、すごい感じです。
建物の形も、大きさも、他の施設と違う感じがして、
いつも、ここは、三鷹の天文台の中で、
一番大切なところなので、近づいては、いけない?
ように感じてしまい、遠巻きに見ている場所でした。
目の覚める紹介、ありがとうございます。

_ 玉青 ― 2007年07月14日 15時50分26秒

記事では「20世紀末になってからも」云々と書きましたが、1992年から10年間ということは、21世紀の初めまで使われていたわけですね。ちょんまげ姿の侍がパソコンのキーを叩いているような激しい違和感を感じますが、そこがまた面白いと思いました。

ところで、ハイパチさんのブログで「星の村天文台」の記事を拝見しました。山間に突如出現する天文台。「天地人橋」を渡れば、螺旋塔の上に輝くドーム。グッとくるシチュエーションですね。

この塔は平成3年に完成したそうで、まさにバベルの塔ならぬ、「バブルの塔」の趣。関係者の運営努力には頭が下がりますが、もし将来ここが廃墟と化したら、それもまた超絶的な眺めではあるまいかと、一寸無責任な感想を抱きました。

_ ハイパチ ― 2007年07月14日 18時50分55秒

う~~む。。
私も、実は、すぐに、バベルの塔を頭に浮かべました。。
でも、今は、「き・ん・く」かも知れません。。
すばらしいロケーションの中、玉青さんのご指摘のとおり、
土曜日の夜30分刻みで4回の観望会を、されている努力、すごいです。。
ぜひ、観望会に参加したいスポットです。ハイ。。。
天文台、すてきでした。
あぶくま洞のまん前にありますので、結構、
観光スポットとしても、グッド・ロケーションです。

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