ライブラリーと球儀2007年07月22日 19時48分46秒

(↑Hoferの本より。下述)

今日は便乗記事です。

月兎社ブログの今日の記事がまた強力で、東大博物館・小石川分館のキャビネット群が圧倒的な迫力で紹介されています。(http://calico5.exblog.jp/d2007-07-22

そして、それだけで終わらず、素晴らしいライブラリー(日本の図書館を想像してはいけません)の写真集が2冊取り上げられていました。何を隠そう、私も先日同じ本を購入して感極まっていたところなので、ちょっと厚かましいんですが、便乗して記事を書きます。(なお、本の詳細は、上記ブログからAmazonへのリンクをたどってください。)

■LIBRARIES, Candida Hofer, Thames & Hudson, 2005
 (『薔薇の名前』のウンベルト・エーコが序文を書いています。)
■THE MOST BEAUTIFUL LIBRARIES IN THE WORLD,
 Guilaume de Laubier (photo) & Jacques Bosser (text), Abrams, 2003

よく似たコンセプトの本ですが、後者がもっぱら王侯貴族や大学の古風なライブラリー(デコラティブなインテリアと革装本の山)に特化しているのに対して、前者はより近代的な公共図書館(無機的な資料室なども)も取り上げているのが特徴的。いずれにしても、恐るべき蔵書であり、かつ超絶的な空間です。以前ハリポタの映画セットに言及しましたが、まことにホグワーツの図書館も顔色なし、といったところです。

で、この本を見ていて気づいたのは、昔のライブラリーには地球儀と天球儀が必ずといってよいほど置かれていること。上の写真は、プラハのNárodní knihovna(発音不明)の内部で、流石にここまでずらっと並べているところは少ないですが、いずれも堂々たる球儀がでんと鎮座しています。

それは多分、かつて本を収集することは世界を手中にすることに他ならなかったからであり、その象徴的意味合いを補強するのが、こうした球儀のコレクションなのでしょう。