パロマーもの…200インチ望遠鏡(その4) ― 2007年08月08日 05時39分28秒
(↑正面のアップ)
以下、パロマー余話です。
この独特の馬蹄形(ホースシュー)架台は、構造上の堅牢さと、鏡筒をどの方向にも向けられるようにするという、両立困難な目標を同時に達成するため、多くの試行錯誤の末に生み出されました。(先行するウィルソン山の100インチ望遠鏡(※)では、古典的な「ヨーク式架台」を採用したため、十分な剛性が得られた代わりに、天の北極方向に死角が生まれるという弱点がありました。)
そのデザインを洗練する上で、一人の老人の描いた図面が大いに役立ったという話が、下の本に書かれています。
その老人は、架台の設計がまだ定まらないある日、設計責任者のもとをふらりと訪れたのですが、彼はその100年前にアイルランドで作られたもう一つの巨人望遠鏡、すなわちロス卿の72インチ望遠鏡(※※)を建造した機械工の孫だった…というのが、何か因縁めいた、望遠鏡史を彩る興味深いエピソードの1つだろうと思います。
70歳をとうに過ぎたその小柄な老人は、十分な科学的知識こそなかったものの、なかなかのアイデアマンで、その後研究所をたびたび訪れては目新しいアイデアを披露して、スタッフを喜ばせたそうです。
※ http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/06/07/395741
※※ http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/03/25/302951
■参考: D.O.ウッドベリー著『パロマーの巨人望遠鏡・下』(岩波文庫)
以下、パロマー余話です。
この独特の馬蹄形(ホースシュー)架台は、構造上の堅牢さと、鏡筒をどの方向にも向けられるようにするという、両立困難な目標を同時に達成するため、多くの試行錯誤の末に生み出されました。(先行するウィルソン山の100インチ望遠鏡(※)では、古典的な「ヨーク式架台」を採用したため、十分な剛性が得られた代わりに、天の北極方向に死角が生まれるという弱点がありました。)
そのデザインを洗練する上で、一人の老人の描いた図面が大いに役立ったという話が、下の本に書かれています。
その老人は、架台の設計がまだ定まらないある日、設計責任者のもとをふらりと訪れたのですが、彼はその100年前にアイルランドで作られたもう一つの巨人望遠鏡、すなわちロス卿の72インチ望遠鏡(※※)を建造した機械工の孫だった…というのが、何か因縁めいた、望遠鏡史を彩る興味深いエピソードの1つだろうと思います。
70歳をとうに過ぎたその小柄な老人は、十分な科学的知識こそなかったものの、なかなかのアイデアマンで、その後研究所をたびたび訪れては目新しいアイデアを披露して、スタッフを喜ばせたそうです。
※ http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/06/07/395741
※※ http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/03/25/302951
■参考: D.O.ウッドベリー著『パロマーの巨人望遠鏡・下』(岩波文庫)
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