パロマーもの…200インチ鏡のミニレプリカ2007年08月11日 21時32分33秒


パロマーの主鏡を模したこのガラス細工は、「灰皿・兼・コースター」として使える実用的な品です。直径は約8センチ。主鏡の鋳込みを担当した、ニューヨークのコーニング社の土産物です。

主鏡の表面は、当然滑らかな凹面ですが、背面はハニカム状の肋構造を採用しており、このレプリカもそれをデザイン化しています。

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直径200インチ(5メートル)という前人未到の反射鏡を作るためには、その素材から徹底的に吟味する必要がありました。その最終候補がパイレックス・ガラスで、これは熱膨張が極めて小さく、温度変化による鏡の歪み(=像の劣化)をおさえるには打ってつけの素材でした。パイレックスは現在でも耐熱ガラスの代名詞となっていますが、それを最初に商品化したのがコーニング社です。

主鏡の完成は1933年。先日のカーデルさんのページを見ると、この品はその6年後の1939年に、ニューヨーク国際博覧会で売りに出され、当初の品には「1939 NEW YORK WORLD'S FAIR」の文字が入っていて、これはなかなかのレア物らしいです。

私のは当然後の時代のもので、上の表記はありません。またカーデルさんのは4個入りセットですが、私のは1個ずつばら売りされたもので、箱の裏に10セント切手を貼って直接誰かに送れるようになっています。

ともあれ、パロマーゆかりのちょっと面白い品として掲げました。

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さて、明日から3日間、子どもと小旅行に出かけるので、ブログのほうも盆休みに入ります。皆様もしみじみとしたお盆をお過ごしください。