大正時代の理科少年…『近世科学の宝船』(1)2007年08月19日 17時40分30秒

●高田徳佐(著)『子供達へのプレゼント 近世科学の宝船』
 慶文堂、大正14(1925)、四六版、410頁

これは私が独自に発見したのではなく、ノンフィクション作家の黒岩比佐子さんのブログ↓で教えられた本です。

■古書の森日記/高田徳佐『子供達へのプレゼント 近世科学の宝船』
  http://blog.livedoor.jp/hisako9618/archives/50948562.html
  http://blog.livedoor.jp/hisako9618/archives/50948583.html

見た瞬間「これは!」と思い、さっそく古書検索サイトに当たったら、1冊だけ売りに出ていました。結構な値段だったので、むぅ…と一瞬鼻白みましたが、とにかくこういうものは出会いが肝心。それに何といっても、このタイトルでこの表紙ですから、ここで買わずしていつ買うか!と己を叱咤して購入しました。

黒岩さんの記事を見ると、本来は箱入りで、その箱の一部をくりぬいて窓をうがち、そこから部屋の内が覗かれるという、凝ったブックデザインなのですが、残念ながら私のは箱なしで、表紙絵も擦れて状態は今ひとつでした。

それはともかく、この絵はどうでしょうか。これは大正時代における、理科少年の一種の理想化された部屋だと思いますが、今見ても実に素敵な部屋ですね。薬品壜の並んだ棚からすると、化学好きの少年という設定のようです。

で、内容の方もそれに照応して物理・化学の話が中心で、軍事ネタが妙に多いのも時代を物語っています(生物関係は、同じ「子供達へのプレゼント」シリーズ中の他の巻で、『眼に見えぬ生物の世界』や『生物の発生から進化遺伝まで』というのが、別の作者によって書かれています)。

さて、具体的な内容はまた明日。

(この項つづく)