コワント天文台(2) ― 2007年08月25日 17時39分08秒
同天文台の別テイクの絵葉書です。
昨日の構図のさらに左側に、もう一つドームを載せた建物が見えます。
一連の建物は、中世回帰をスローガンとした、いわゆるゴシック・リヴァイバル運動の好例です。ゴシック好きとは、すなわち塔好きということで、塔上の謎めいたドームは、いろいろな意味で人々の想像を誘ったことでしょう。
私もこんな建物に住んで、ちょっと「星の伯爵」を気取ってみたいような気がします。
天文台建築は、その時代その時代の嗜好を受けて、いろいろな様式が試みられてきましたが、この愛すべき建物も、天文台建築史において特筆されてよい建物だと思います。
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ところで、この絵葉書は裏面区画のあるタイプで、時代的には昨日の絵葉書より新しいもの(1910年前後)なんですが、木の繁茂の仕方を見ると、どうも昨日の写真より以前に撮影されたような気がします。
で、画像拡大をつけたのでご覧頂きたいのですが、画面の左・中央・右側の3箇所にピタッと焦点の合ったところがあり、あとはところどころぼやけています。しかも手前の芝地には、妙なギザギザ模様があって、結局この写真は何枚か(3枚以上)の写真を継ぎはぎしたものだと分ります。
写真史に詳しくないのでよく分りませんが、これは広角の写真を撮るのが難しかった時代の産物なのでしょうか。それとも何か他に現実的な理由があったのでしょうか?
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