賢治の岩石コレクション2007年09月17日 14時24分17秒

(朝日新聞・2007年9月17日朝刊より)

今朝、朝日新聞を見ていたら、「お宝発見 賢治が集めた石16点(岩手大)」という記事が目にとまりました。「お宝発見」といっても、別に「新発見」を報じる記事ではなくて、各大学秘蔵の「お宝」を順繰りに紹介していくという連載記事で、今日がたまたま岩手大学にあたっていたのです。

記事によると、これらの岩石標本はふとしたきっかけで発見されたものだそうです。

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16点の石は長い間、土壌学の研究者らが物置として使っていた構内の一室に埋もれていた。90年、ある助教授がたまたま、珍しい赤いラベルがはられた箱入りの岩石標本を見つけた。調べると、ラベルやメモの筆跡が賢治のものと一致した。

「石としての価値はまったくない」が、賢治が集めたと分かるや一躍、大学随一の秘蔵品に。3年ほど前に資料館〔農学部付属農業教育資料館〕の展示品を整理した際、メーンに据えた。(朝日新聞)

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私はこのニュースをまったく知らずにいて、石の存在も初めて知ったのですが、発見のエピソードがなかなかドラマチックですね。賢治が盛岡高等農林(現・岩手大学農学部)に在学したのは、大正4年から9年(1915~20)のことですから、70年間誰にも知られることなく埃をかぶっていたことになります。

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さて、賢治忌(9月21日)も近づきました。賢治が彼岸へと旅立ったのは、ちょうど秋彼岸の時期。今年もまた爽やかな秋空に賢治をしのぼうと思います。