賢治の肉声2007年09月27日 06時52分35秒


「思いがけぬプレゼント」とは、奥付に押された著者検印でした。

検印というのはポンポン事務的に押したものでしょうが、この場合は一寸特別で、傍らに「印章は著者の自刻遺愛のもの」と大書されています。編者の松田甚次郎もこの印章に深い思い入れがあったのでしょう。

賢治に直接ちなんだ品がそんじょそこらにあるわけない…と昨日書きましたが、それは意外なところに潜んでいました。

この小さな印判を眺めていると、背を丸めて一心に印を彫っている賢治の姿が浮かんできて、そして自分は今賢治と共にあるのだ、という思いが強くします。