天文学者は白髪頭か?…19世紀と20世紀2007年10月04日 22時45分11秒

以前、「(19世紀と20)世紀の境目をまたぐ四半世紀の間に、天文学の進化と並行して、天文趣味を表象する図像表現にも大きな変化があった」と書いたことがあります。(http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/07/13/443527

要するに「時代の変遷」ということなんですが、改めてそのことを考える材料として、2冊の本を比べてみたいと思います。

まずは1910年に出た、エリソン・ホークスの『子どもたちに示す星々』。

★Ellison Hawks
 STARS SHOWN TO THE CHILDREN.
 T.C.&E.C. Jack, London, 1910.
 119pp, 16mo.

その序文を読んでみましょう。

「愛するホリーとシシリー。多くの人は、天文学、つまり星の科学なんて無味乾燥で面白くない学問だし、天文学者といえば髭を生やした白髪のお爺さんだと思っている。でも君たちはお父さんの言い分を認めてくれるだろう。天文学は趣味の中でもいちばん魅力あるものの一つで、天文学者は決して白髪頭の老人ではない!ということを。」
(この著者は、娘の手前だいぶ若さにこだわっていますね。)

そしてもう1冊は…(例によって明日につづく)

コメント

_ shigeyuki ― 2007年10月05日 18時59分26秒

わぁ。とても綺麗な本ですね。
涼しい夜の香気が漂ってくるようです。

先日の記事の脱線部分。でんじろう博士のはなし。
子供たちの科学に対する興味の入り口になるんだろうと思っていたのですが、そういわれてみれば確かにそうかもしれませんね。

ところで、来月の散歩会、楽しみにしています。

_ 玉青 ― 2007年10月05日 21時36分33秒

これはかなり綺麗に撮れた写真です。実物は保存状態が悪くて、ちょっと写真負けしています(苦)。

それはさておき、こうした「涼やかな味わい」を天空に求めるようになったのは意外と新しく、ちょうど20世紀初頭ぐらいのことではないでしょうか。

それ以前は、同じ天文好きであっても、宇宙に別種の魅力を求めていたのではないか…と、そんなことをボンヤリ考えています。きちんと論証するにはまだまだ準備不足ですが。

同時代人の意識下にある事象は、文字ではっきり書き残す人がいないので、なかなか捕らえにくいのですが、天文趣味史を探る上では避けて通れないテーマだと思っています。

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