天文学者は白髪頭か?…19世紀と20世紀(その4)2007年10月07日 09時31分10秒

バックレイとホークスの2冊の本。その違いを、昨日は時代思潮の違いとして捉えましたが、もっと即物的な違いもあって、むしろその方がすぐ目につく部分です。

表紙だけでなく、この2冊はパッと開いた印象が全然違います。その違いは主に挿絵にあります。

『魔法の鏡』のほうは「いかにも19世紀」です。写真はオリオン星雲の写真が口絵にあるだけで、あとはすべて黒々とした版画です。いっぽう『星々』ほうは、大半が写真図版ですし、3色分解の網点で刷ったカラー図版もあったりして、こちらはいかにも20世紀的です。

たまたま、同じ月面のコペルニクス・クレーターの図がかぶっていたので、並べて撮ってみました。左の『魔法の鏡』の方は、例によって濃くインクの乗った木口木版ですが、『星々』になると網かけ印刷に替わっています。出典も、前者はハーシェル(息子のジョンの方)が描いたスケッチの模写という、古色蒼然としたものであるのに対し、後者はヤーキス天文台が撮影した写真をそのまま製版しています。

これだけでも、時代は変わったんだなぁ…と、しみじみ実感されます。

(この項さらにつづく)

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