戦後の理科室について ― 2007年12月10日 21時06分21秒
日曜研究家・串間努氏の『まぼろし小学校-昭和B級文化の記録』(小学館、1996)は、“ウルトラマン世代” や “ちびまる子ちゃん世代” が過ごした、昭和40年代の小学校生活のディテールを描いて秀逸です。私は串間氏とほぼ同じ年齢なので、その一つ一つに鮮明な記憶があります。
赤チン、ボンナイフ、揚げパン、レモン石鹸、愛のひとしずく…
ただし、多くの話題を網羅した本書にあっても、理科室の話題は相対的に乏しく、カエルの解剖の話が載っているぐらいなので、少々寂しい思いがしていました(串間氏はあまり理科に思い入れがなかったのかもしれません。ちなみに、これはカエルの解剖を経験したかどうかで年齢が分かるという話)。
ところが、最近になって、氏が「まぼろしチャンネル」というサイトを主宰しており、そこに理科室の話題もきっちり載っているのを知りました。
明治から戦中までの理科室の歴史については、去年このブログでもまとめて書きましたが(「再び理科室の歴史について」、2006年10月1日~10月5日)、戦後の理科室の歩みは、まだ手付かずなので、ここに参考資料としてあげておきます。
■まぼろし第二小学校 第27回「理科室のガイコツは夜うごく」の巻
http://www.maboroshi-ch.com/sun/sch_27.htm
これを読むと、昭和20年代~30年代、一見「暗い理科室」の黄金時代だったように思える頃でも、教育環境の貧しさは覆うべくもなく、昭和33年当時、理科室のある小学校は、全体の41%に過ぎなかった…という意外なデータが紹介されています。
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