タルホ関連本より、オブジェ2題2007年12月18日 18時39分39秒

(この記事は、12月9日付けの記事に対する shigeyuki さんのコメントへの返信を兼ねています。)

shigeyuki さんに教えていただいた、恐るべき足穂本の紹介ページ。
★古本ねこや http://www5d.biglobe.ne.jp/~furuneko/p-ikaros.htm

足穂作品の「銅板製本」と聞いて、実は私も最初にこの 『総銅製機甲本イカルス』 (アニメのタイトルのようですね)を思い浮かべました。呪物研究所刊・限定13部という、このおどろおどろしい本(?)は、最初、雑誌 「太陽」 の足穂特集号で見て、さらにこれを再編集した 『稲垣足穂の世界』 (平凡社)で再見し、私の脳裏にしっかり焼きついていました。

古書価80万円、総重量は22キロだそうです。いずれも腹にズシンと来る数字。

何百年か、何千年かの後、これが土中から緑青まみれで掘り出されたらすごいでしょうね。

 ★  ★  ★

さて、上記 『稲垣足穂の世界』 を見ていて、新たに目に留まったのが上の写真。
「スコープ」という、掌サイズの、一種の覗きカラクリを作り続けるオブジェ作家・桑原弘明氏の作品 「遠い星」 です。

5センチ角ぐらいの空間に再現された、極小の天文台。スリットからは小さな、しかも広大な星空がのぞいています。

桑原氏とスコープ作品についてはこちら。
★GALLERY TSUBAKI + GT2 http://www.gallery-tsubaki.jp/2006/061209.htm

私は、氏の作品を、写真文集 『スコープ少年の不思議な旅』 (文・巌谷国士、パロル舎、2005)を通じて知るのみなのですが、実物を見たら心底驚倒することでしょう。とにかく、すごい作品であり、すごい人です。

小さなスコープの向こうに広がる謎めいた異世界。
昔読んだH.G.ウェルズの 「卵形の水晶球」 という短編を何となく連想します。