戦前の少年向け鉱石標本(ヨーロッパ編)…その42007年12月28日 22時22分40秒


上蓋の裏側に貼られた、タイプ打ちの内容一覧。
名称は箱の中身の配列と一致しています(昨日の写真参照)。

○最上段左から
テレブラテュラ(腕足類)、リンコネラ(同)、アンモナイト、ウニ、ベレムナイト(頭足類)
○2段目
洞窟真珠(鍾乳石の一種)、海綿、金色アンモナイトGoltammoniten、凝灰岩、紀元前800年頃の土器片
○3段目
ホラアナグマの爪、同・足指の骨、同・牙
○4段目
黒ジュラ層(ジュラ紀前期)油頁岩、 褐ジュラ層(ジュラ紀中期)鉄鉱石、白ジュラ層(ジュラ紀後期)石灰岩、同・苦灰岩、方解石

そういえば、約1億5千万年前、中生代半ばの「ジュラ紀」という名称は、スイス・ドイツ国境付近のジュラ山脈に由来するのでした。

そうした太古の時代の岩石や生物にまじって、新生代の哺乳類化石や、さらに人類の遺物まで混在しており、しかも、今ではこの標本セット自体がアンティークと化しているわけで、この小さな箱に詰まった不思議な時の流れを思うと、頭がクラクラしてきます。

ローラシア大陸の誕生、造山活動による海底の隆起、そしてスイスの山中からアメリカへ、日本へ…という、その空間移動もなかなかドラマチックです。