よみがえる理科室の黄金時代…カタログ発見(1)2008年01月20日 19時50分10秒

(開きやすいように、予め中央に折り目を入れた特殊な表紙)

求めよ、さらば与えられん。思考は現実化する。
「精神主義万歳」を唱えたくなる品の到来です。

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以前の記事で、昔の理科教材のカタログが手に入らないものかと、半ばあきらめ顔で書きました。
しかし―。やはり世間には残っていたのです。そういう品が。何でも探してみるものです。

■日本教育用品総覧 1956年版 (上・下)
 昭和30年11月発行、教育通信社
 B5版、上巻457頁、下巻542頁

タイトルに「カタログ」とは謳ってませんが、その内容は、並みのカタログ以上の情報量を盛り込んだ「スーパーカタログ」なのです。

本書の成立の事情を序文から書き写してみます(太字は原文のまま。適宜改行を入れました)。

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発刊に際して 教育通信社社長 横山仁一

〔…前略…〕斯様に教育関係者が教育用施設設備に深い関心をよせるに従い、諸種教育用品に関する調査、研究のための具体的な資料の提供が最近漸く激しく要求されるに至りました。

そこで小社は、これら一般の強い要求に応えるため、「最も権威ある、真に現場に役立つ学校教育用品設備研究資料」として、学校で必要とするあらゆる標準教育用品をカタログ形式に網羅した“総合カタログ図書”「日本教育用品総覧」(1956年版)を、文部省管理局教育用品室監修「月刊教育用品」誌の別冊増補版として発行致す段階にこぎつけました。

発行にあたっては文部省、都教育庁をはじめ全国の教育指導官庁並に、東京、大阪はじめ全国教育用品業界の御指導と絶大な御支援御協力のもとに社員一同「総覧と共に」の強い信念の下に結束し、頑張り抜いて参りました。

編集に当っては「詳細な内容」「正確な資料」「懇切な編集」を目標に取材活動を行い、現在国内に出廻っている全教育用品品種の中、約90%のものは網羅し得たものと確信致しております。〔…後略…〕

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恐ろしい熱気と自信です。「1956年版」とありますが、実はこの『総覧』が作られたのは、1956年が最初で最後でした。あまりにも制作に手間がかかったためでしょう。

(この項つづく)