桜花咲く下に 賢治たたずみ… ― 2008年03月30日 18時04分56秒
いっとき所用で外出。ついでに古書店で賢治本を2冊。
今の状況では、しばらく積ん読です。
が、こういう神経が昂ぶっているときは、ちらりと目にした言葉が尋常ならざる色彩を帯び、深遠な啓示のように思えたりします。
■ ◇ ■
過去情炎
截られた根から青じろい樹液がにじみ
あたらしい腐植のにほひを嗅ぎながら
きらびやかな雨あがりの中にはたらけば
わたくしは移住の清教徒(ピユリタン)です
雲はぐらぐらゆれて馳けるし
梨の葉にはいちいち精巧な葉脈があつて
短果枝には雫がレンズになり
そらや木やすべての景象ををさめてゐる
………
(『春と修羅』第一集 所収)
■ ◇ ■
いっとき若やいだ心になって、こんなにも詩句がこころに染み入るというのは、季節のせいもあるのでしょう。
「春と修羅」のタイトルも只ならぬ感じです。
コメント
_ 近藤二郎 ― 2008年04月01日 02時37分34秒
宮沢賢治の部分にコメントを書く無粋をお許しください。毎回、楽しく拝見させていただいております。お恥ずかしい話なのですが、本日、書店に頼んでいた『ビクトリア時代のアマチュア天文家』が届き、一気に第5章の終わりまで読み進めました。私は1989年8月から91年3月までと2005年4月から9月までの25ヶ月間、22頁最下段に出てくるBidston Hill(ビドゥストン・ヒル)にあるLiverpool Observatory(リバプール天文台)のふもとで暮らしておりました。Merseyは、マーシーではなくマージーがよいと思います。今後ともよろしく。
_ 玉青 ― 2008年04月01日 19時00分58秒
近藤二郎さま
はじめまして。
お買い上げどうもありがとうございます!
(「お恥ずかしい話」などと、どうかおっしゃいませんように…)
併せて、ご教示ありがとうございました。リバプールにお住まいだったのですね!マーシーに限らず、拙訳の泣き所は、人名・地名等の固有名詞の表記で、本当に最後まで不安を感じっぱなしで、結局いいかげんなまま筆をおきました。 奇っ怪な表記がままお目に留まるかと思いますが、懲りずにお教えいただければ幸いです。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
はじめまして。
お買い上げどうもありがとうございます!
(「お恥ずかしい話」などと、どうかおっしゃいませんように…)
併せて、ご教示ありがとうございました。リバプールにお住まいだったのですね!マーシーに限らず、拙訳の泣き所は、人名・地名等の固有名詞の表記で、本当に最後まで不安を感じっぱなしで、結局いいかげんなまま筆をおきました。 奇っ怪な表記がままお目に留まるかと思いますが、懲りずにお教えいただければ幸いです。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
_ 近藤二郎 ― 2008年04月02日 09時02分25秒
早速のレスありがとうございました。地名や人名の表記は本当に難しいですね。私も翻訳をするのですが、特にアメリカ人の表記は本人がどのように「言っている」のか「言われている」のかがわからないと正確には訳せないように思います。昨年11月から天ガに連載している私の「ナイル星物語」の感想なども時々お聞かせいただければ幸甚です。天ガは1972年の大火球記事以来、実に35年ぶりの登場です。
_ 玉青 ― 2008年04月02日 21時26分00秒
これはこれは、近藤先生でしたか!お名前からピンと来ず失礼しました。ただ、今さら先生とお呼びするのも何か空々しい気がしますので、引き続き近藤さまとお呼びいたします。
(心優しきフォローをありがとうございました。大いに救われた気分です。)
さて、「ナイル星物語」。
このブログの趣旨としても、エジプト文化と天文の関わりは、常識程度には知っておかねばと思うのですが、その辺が私にとって何とも茫洋としています。
その種の話題がメーリングリストあたりで出ると、とたんに舌鋒鋭い論客たちが登場して議論百出、その様を傍から見ていて、少々怖気づいている部分もあります。
とはいえ。この豊かな世界を知らずに過ごすのはいかにも残念なので、これを機に少し足を踏み入れてみようかと思います。天ガの記事も改めて拝読させていただきます。
改めてどうぞよろしくお願いいたします。
(心優しきフォローをありがとうございました。大いに救われた気分です。)
さて、「ナイル星物語」。
このブログの趣旨としても、エジプト文化と天文の関わりは、常識程度には知っておかねばと思うのですが、その辺が私にとって何とも茫洋としています。
その種の話題がメーリングリストあたりで出ると、とたんに舌鋒鋭い論客たちが登場して議論百出、その様を傍から見ていて、少々怖気づいている部分もあります。
とはいえ。この豊かな世界を知らずに過ごすのはいかにも残念なので、これを機に少し足を踏み入れてみようかと思います。天ガの記事も改めて拝読させていただきます。
改めてどうぞよろしくお願いいたします。
_ 近藤二郎 ― 2008年04月02日 22時01分46秒
こちらこそ宜しくお願いします。私も偉そうなことは言えませんので、今後もいろいろと素敵な話題を提供して下さい。私も1965年頃からの天文ファンですし、野鳥や岩石なども好きな人間です。先生はなしでお願いします。
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