驚異の部屋展、鳥のビオソフィア展2008年05月15日 07時51分03秒

(今回はカメラを持参せず。上の図は西野義章氏の↓の本の口絵よりお借りしました。)

日曜日に無事行ってきました。

「鳥のビオソフィア」展に行く前に、小石川の「驚異の部屋」展を再訪。

■驚異の部屋展 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2006chamber.html

私が小石川に行く時はきまって雨で、今回も5月とは思えない冷たい雨に肩をすくめながら、茗荷谷からトボトボ歩きました。

明治9年築という歴史的な建物は、現在外壁を修繕中で、建物は全面をシートで覆われています。「え、休館?」と一瞬思いましたが、中は普段どおり営業していました。

人は相変わらず少ないです。昼近くに行ったんですが、この日は私が最初の入館者で、帰り際にもうお一人来館されたのみでした。誰にも背中を押されずに、完璧な静寂の中での観覧。自分の足音、床のきしむ音、そして雨だれの音だけが時折聞こえます。

 ★

繰り返し見る、というのは、とても大事なことですね。
前回は少々興奮していて、物に圧倒されていました。後から場景を思い浮かべても、色彩のパッチが入り乱れるばかりで、結局あまり細部が見えてなかったのですが、今回は心を落ち着けて、箱、棚、ラベル等の細部まで十分目をこらして来ました。展示企画者である西野嘉章氏の『マーク・ダイオンの驚異の部屋講義録』(平凡社、2004)を読んだ後でもあり、いろいろ新たな気づきがありました。

例えば両生類を描いた大判の図。額装の状態で展示されていますが、よく見るとすべて台紙の上部に2箇所穴が開いています。ここに紐を通して掛けるようにしたわけですが、こうした形式の由来が気になります。原図はドイツのものですが、同時代のドイツでは既にリネンで裏打ちした巻物形式が一般的だったように思います。厚紙に貼って小穴を穿つというのは、明治初期の小学掛図と同じ形式(アメリカ由来らしい)なので、これはいわゆるマクリの状態で輸入したものを、日本で独自にこういう形式に仕立てたのではあるまいか…

掛図に関心が向いているせいもありますが、そんな瑣末なことを考えつつ(上の想像は全く的外れかもしれません)、ゆっくり見て回ったので、存外時間がかかったのでした。


(ビオソフィアについてはまた明日)

コメント

_ mistletoe ― 2008年05月15日 16時02分49秒

こんにちは。
小石川の方へも行かれたのですね。
私もまた行かなくては。
あそこはいつも空いていて静寂の中で
観覧できますね。
あそこに住みたいです。。。

それに比べて”鳥”!昨日も平日なのに沢山の人。
盛り上がっておりますね。
この展示の第三室にも住みたいです。

私も来週鳥は記事アップします♪

_ 玉青 ― 2008年05月16日 20時43分34秒

鳥記事、楽しみです。
(桑原弘明さんの記事は、唖然としてコメントしそびれました…)

小石川、そして第三室。まったく同感です。

ところで私はひそかに自分の部屋を 「ひとり驚異の部屋展」 と称していて、観客はいつも一人しかいないんですが、如何せん空間が狭いので、結構な賑わいというか、人いきれ(と言っても一人ですが)で息苦しい感じがします。

閑寂さが欲しい。。。

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