江戸の想像力(3)…おまけ2008年07月20日 13時29分06秒

(ジョン・ハーシェルが発見した?月に住むコウモリ人間と、ビーバー人間)

昨日の記事中、片山松斎が「西洋には月世界人の身長を測る器械まである」と書いているのを見て、思わずのけぞりました。

私は最初、19世紀前半、アメリカの大衆紙に「ジョン・ハーシェルが月世界人を発見!」というヨタ記事が出て、欧米で一大センセーションを捲き起こした事件を連想しました。

ジョン・ハーシェルが、42,000倍の超高性能望遠鏡で、身長4フィートの月世界人の生活を事細かに観察・報告したという内容ですが、松斎の文章は、それがはるか極東まで伝わった証拠ではないか!と色めき立ったのです。が、件のニュースは1835年なので、松斎の記事とは関係ありませんでした。残念。

それにしても、松斎はいったい何を元に書いたのか、まったくとんでもない話です。
それをしれっと書く彼の胆力も相当なもの。

■参考 THE MOON HOAX
 http://www.lhup.edu/~dsimanek/hoaxes/moonhoax.htm
 (↑の図も同ページより)

コメント

_ S.U ― 2008年07月20日 15時38分23秒

「月の人の尺を測る装置」というのも、前代未聞ですね。つまらない解釈ですが、月の山の
高さの数値が洋書に載っているのを見て、(本当は影の長さから計算したのだが)直接的に
実測する方法があると早合点したのかもしれません。
 西洋書に触れた当時の日本人からすると、「世の中はもう何でもアリ」、というふうに感じ
られたことでしょう。一般の人は、異国人と異星人の区別もつかなかったのでは。

_ 玉青 ― 2008年07月21日 22時21分13秒

確かにこうなるとまさに「何でもアリ」状態ですね。
言い方を変えると、非常にわくわく感に満ちた世界を味わっていたのかもしれませんが…。
まあ、今にして思えば西洋世界もそう途方もなく先を行ってたわけではないと思うんですが、江戸人にはそう感じられたのでしょう。

◆メールの件、今しばしお待ちください。ぼちぼち考えてみます。

_ mistletoe ― 2008年07月22日 15時34分08秒

おぉ!
ワタシが院で研究していたレチフの小説を思い出します。それは『南半球の発見』という地球上の話で、
18世紀の啓蒙小説です。
色々な動物人間が出てくるのです…
この図版ものすごくレチフとかぶるなぁ(笑)
11月のイベントにその本持って行くので、
是非ご覧になって下さいませ!

_ 玉青 ― 2008年07月22日 21時57分57秒

ほほう。
たった今、画像検索したんですが、同書の「羊人間と変な翼の人」の挿絵なんかは、パッと見、本当に印象がかぶりますね。
それにしても、学生の頃からひたすら珍奇なテーマに取り組まれてらっしゃるんですねえ。今では珍奇道五段ぐらいですか。11月には是非一手ご指南ください。<(_ _)>

_ sbod ― 2008年08月17日 18時46分47秒

Hi,

I am a reader from from Hong Kong and would like to share an exciting blog with you guys.

http://blog.modernmechanix.com/category/space/

The blog contains some very old astronomy magazines. Hope you like it.

Clean Skies!

Regards,
SDOB

_ 玉青 ― 2008年08月18日 08時12分01秒

Hi sbod,

You also love a flavor of old astronomy, don’t you? 好呀 and welcome!

Thank you very much for your kind comment and great information. Though I haven’t read all articles of it yet, the blog you mentioned seems to be very interesting and must be a mine of information. I will read it leisurely with real appreciation.

BTW do you understand Japanese? If so, I would like to reply in Japanese after this, instead of writing such poor English…… :-):-) Thanks for your help.

I’m looking forward to hearing from you again, and you’re welcome to make a comment in English, or in Japanese, of course. ;-)

多謝!

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