ジョバンニが見た世界…ラポルト作『大宇宙天文図解』(5)2008年08月01日 06時56分17秒


上半分の左下隅に描かれた望遠鏡。
子どもたちの天空への憧れを掻き立てる添景…

   ★  ☆

19世紀の天文教育のエッセンスを詰め込んだ、愛らしい掛図。
連載企画「ジョバンニが見た世界」、その第1アイテムはとりあえずこれに決めます。
まず、教室にこの図が掛かっている場面を思い浮かべてください。

この後も、文章の流れに沿って順次アイテムを採り上げていきます。

コメント

_ S.U ― 2008年08月01日 19時14分47秒

 これは本当にユニークな宇宙図ですね。
 この小さい太陽系図(望遠鏡の絵の右)で、木星、土星、天王星、海王星を貫く
曲線は何でしょうか。グランドツァーかボイジャー2号の予言のつもりでしょうか。
 『銀河鉄道の夜』と関係ないところで恐縮です。私も次のアイテムが楽しみ
なのですが、ついつい拝見した物の細かいところが気になってしまいます。

_ 玉青 ― 2008年08月02日 16時03分07秒

いつもながら観察がコマヤカですね。全然気づきませんでした。

図のタイトルは tourbillon solaire(太陽螺旋?)と書いてあって、何のことやら分かりませんが、本文を見てもやっぱり分かりません。この図は、太陽系の大きさを生徒に想像させる箇所で、「図49を見よ」と唐突に言及されています。そこには光の速度だと、太陽系の端から端まで8時間17分、秒速500メートルの砲弾だと652年というようなことが書かれています。たぶん地球から打ち出された砲弾は、こんな風に螺旋軌道を描いて宇宙を飛んでいくんだよ、ということが言いたいのだと思います。その先々に惑星を配置したのは、これまた作者独特の美意識のなせるわざではないでしょうか。

でも、秒速500メートルではちょっとキビシイですね。第2宇宙速度が出ても、実際こんな風に惑星に出くわしたら、軌道があさっての方向に曲がってしまうことも、全然気にしてないようです。

とはいえ、ヴェルヌの月世界旅行が出たのは10年前(1865)だそうですが、この図の作者ラポルトは、さらに壮大な「砲弾による太陽系グランドツアー」を思い描いていたわけで、すごいといえばすごいかも。。。

_ S.U ― 2008年08月03日 18時10分41秒

ご解説ありがとうございました。 そういわれれば、デザイン的に螺旋に配置されている
ところが目立つようですね。「宇宙は螺旋だ!」という主張があるのでしょうか。時代的によく
わかりませんが、当時の銀河構造の知識との関係もあったのかもしれないと思いました。

_ 玉青 ― 2008年08月03日 19時24分42秒

全然関係ありませんが、巻貝から銀河まで螺旋にこだわったページがありました。

http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/2607/index.html

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