理科少年の血脈2008年08月06日 21時49分02秒


昨日のW. Farneaux(ファーノー?)の本の中身を見ていこうと思ったのですが、フラッシュをたかずに自然光の方がきれいに撮れるので、それは後回しにして、あらましだけ書いておきます。

★W. Farneaux 著
 THE OUT-DOOR WORLD or Young Collector’s Handbook
 『戸外の世界―若き収集家のための手引き』
 Longmans, Green & Co., London, 1900.
 8vo., p.411

1900年、つまり19世紀最後の年に出た本。表紙には少年と犬が戸口に立って、陽光のあふれる戸外に今まさに出かけようというところが描かれています。

内容は、<動物の生活><植物の世界><鉱物の世界>の3部構成になっていて、自然界の宝探しを目指す少年たちは、これ1冊で用が足りるという趣向。内容も実に盛りだくさんです。生態についての解説あり、採集と飼育・標本作りのノウハウありで、頁をめくると100年前の理科少年の息吹がじかに感じられるようです。

いやいや、こういう本は確か私自身の身近にもあったぞ…と思い出したのが左の本。小学生のときに愛読した『採集と標本の図鑑』(小学館)です。これまた昆虫から、蟹から、貝から、植物から、岩石から…要するに何でも載っています。両者を較べると、自分が19世紀の末に生まれた「理科少年」のはるかな末裔だったのだな…ということをしみじみ感じます。