アンティコ・ナトゥラーレ…神戸、魅惑の昆蟲舗(1) ― 2008年11月16日 11時58分55秒
(Silver Moth。ヤママユガを銀のペイントで加工した品。)
神戸はアップダウンのない街ですね。
アップアップとダウンダウンしかないという。
ああいう街で成育すると、何か特異な空間図式が脳髄に刻み込まれるんじゃないでしょうか。
さて、せっかく神戸に来たのだから、何かタルホチックな土産はないかな…と思いました。北野界隈をそれこそアップアップしながら当てもなく歩いていると、ふと私の目を捉えた店がありました。
“Antico Naturale 六甲昆虫館”
(公式サイトは現在つながらないようです。所在地は異人館通とハンター坂の交差点そば。外観と内部は以下のブログに画像あり。
◆money_hunterの日記「六甲昆虫館」
http://d.hatena.ne.jp/money_hunter/20080614
◆はじめまして、イプシロン「神戸異人館~六甲昆虫館~」
http://rupan5333.blog.drecom.jp/daily/200706/09)
「魅せる標本」がキーコンセプトで、標本そのものと、ご主人自らが製作したディスプレイケースとの「取り合わせの妙」を売りにしたお店です。
で、ここで極めて重要なのは、同店が扱っているのは全て「本物の標本」だということです。つまりジュエリー感覚でディスプレイされた物も含め、全て正式に展翅展足のされた、しかも詳しい採集データの書かれたラベルが付属する品だということです。ご主人曰く「それがないと標本になりませんから」。そう、それでこそ博物趣味の香気もほとばしろうというものです。
この極上の店で見つけたのが写真の品。
これがタルホチックかどうかは自信がありませんが(足穂というよりはゴシック趣味かもしれません)、銀月に舞う銀の蛾は絵になります。
それにしても、この銀の蛾にまで学名と採集地、採集年月日を記したラベルが付属するのには驚きました。(この項続く)
神戸はアップダウンのない街ですね。
アップアップとダウンダウンしかないという。
ああいう街で成育すると、何か特異な空間図式が脳髄に刻み込まれるんじゃないでしょうか。
さて、せっかく神戸に来たのだから、何かタルホチックな土産はないかな…と思いました。北野界隈をそれこそアップアップしながら当てもなく歩いていると、ふと私の目を捉えた店がありました。
“Antico Naturale 六甲昆虫館”
(公式サイトは現在つながらないようです。所在地は異人館通とハンター坂の交差点そば。外観と内部は以下のブログに画像あり。
◆money_hunterの日記「六甲昆虫館」
http://d.hatena.ne.jp/money_hunter/20080614
◆はじめまして、イプシロン「神戸異人館~六甲昆虫館~」
http://rupan5333.blog.drecom.jp/daily/200706/09)
「魅せる標本」がキーコンセプトで、標本そのものと、ご主人自らが製作したディスプレイケースとの「取り合わせの妙」を売りにしたお店です。
で、ここで極めて重要なのは、同店が扱っているのは全て「本物の標本」だということです。つまりジュエリー感覚でディスプレイされた物も含め、全て正式に展翅展足のされた、しかも詳しい採集データの書かれたラベルが付属する品だということです。ご主人曰く「それがないと標本になりませんから」。そう、それでこそ博物趣味の香気もほとばしろうというものです。
この極上の店で見つけたのが写真の品。
これがタルホチックかどうかは自信がありませんが(足穂というよりはゴシック趣味かもしれません)、銀月に舞う銀の蛾は絵になります。
それにしても、この銀の蛾にまで学名と採集地、採集年月日を記したラベルが付属するのには驚きました。(この項続く)
コメント
_ S.U ― 2008年11月16日 13時57分31秒
_ 玉青 ― 2008年11月17日 07時31分52秒
いつもながら、ベスト・フォローありがとうございます。
よかった、無事素志を遂げられました。
私も河出の文庫版で件の文章を読んでみました。「○○よりも××」という、枕草子の「ものは尽くし」みたいな文が並んでますが、××を並べてみると面白いですね。夜、キネマ、対話、ピストル、コカイン、電車、自動車、モーターサイクルの競争、鉛筆、ココア、シガレット…etc。いかにもタルホ的であると同時に、時代の気分も伝わってくるようです。
ところで、私も1つ発見をしたんですが、単行本初収録(昭和3年・春陽堂版『天体嗜好症』)の際の同じ文章を見たら、「蝶よりも蛾。それもブリキ製のゼンマイ仕掛なら九十三點だ。」となっていました。
あ、3点減点されている!何故?
+
世界をどう体験するか。それによって基本的な世界観(中心と辺境の観念、あるいは他界観といったもの)がどのように形作られるか、考え出すと深いものがありそうですね。盆地型というのは、日本人にとって割りと普遍的なものかもしれません。
よかった、無事素志を遂げられました。
私も河出の文庫版で件の文章を読んでみました。「○○よりも××」という、枕草子の「ものは尽くし」みたいな文が並んでますが、××を並べてみると面白いですね。夜、キネマ、対話、ピストル、コカイン、電車、自動車、モーターサイクルの競争、鉛筆、ココア、シガレット…etc。いかにもタルホ的であると同時に、時代の気分も伝わってくるようです。
ところで、私も1つ発見をしたんですが、単行本初収録(昭和3年・春陽堂版『天体嗜好症』)の際の同じ文章を見たら、「蝶よりも蛾。それもブリキ製のゼンマイ仕掛なら九十三點だ。」となっていました。
あ、3点減点されている!何故?
+
世界をどう体験するか。それによって基本的な世界観(中心と辺境の観念、あるいは他界観といったもの)がどのように形作られるか、考え出すと深いものがありそうですね。盆地型というのは、日本人にとって割りと普遍的なものかもしれません。
_ S.U ― 2008年11月17日 08時25分23秒
足穂趣味は、定型的であるように見えて、思わぬところで逆説的につながっており興味が尽きません。
3点減点とは不思議ですね。 ここは単純に90点ジャストのほうがいさぎよくて良いと思ったのだと推測します。彼がジャスト1900年生まれであったことは自他共に高く評価されていますが、それと関係あるかもしれません。
盆地型というのは普遍的ですか。確かに、民俗学の本に出てくるおっしゃるような村の原型的パターンは盆地型が多いように思います。
3点減点とは不思議ですね。 ここは単純に90点ジャストのほうがいさぎよくて良いと思ったのだと推測します。彼がジャスト1900年生まれであったことは自他共に高く評価されていますが、それと関係あるかもしれません。
盆地型というのは普遍的ですか。確かに、民俗学の本に出てくるおっしゃるような村の原型的パターンは盆地型が多いように思います。
_ shigeyuki ― 2008年11月18日 23時27分21秒
先日は散歩会にご一緒できなくて、残念でした。
次の機会にはぜひ。
ところで、神戸に行かれてたんですね。
足穂といえばトアロードでしょうか。
神戸は僕の故郷ですが、足穂を読む前と読んだ後では、町が少し違って見えたのを覚えてます。
次の機会にはぜひ。
ところで、神戸に行かれてたんですね。
足穂といえばトアロードでしょうか。
神戸は僕の故郷ですが、足穂を読む前と読んだ後では、町が少し違って見えたのを覚えてます。
_ 玉青 ― 2008年11月19日 20時05分30秒
S.Uさんやshigeyukiさんに言われて、もう一寸神戸でタルホ情緒を味わってくれば良かったな…と悔やんでいます。
本来的にものぐさで出不精なので、旅行先でもホテルでモソモソとコンビニのおにぎりか何かを食べながら寝てしまうことが多いんですね。
今さら「星を売る店」を読み返しても遅いのでした。。。
本来的にものぐさで出不精なので、旅行先でもホテルでモソモソとコンビニのおにぎりか何かを食べながら寝てしまうことが多いんですね。
今さら「星を売る店」を読み返しても遅いのでした。。。
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蝶よりも蛾。それもブリキ製ぜんまい仕掛の蛾なら九十点だ。
なるほど。神戸の人は独特の空間図式があるかもしれませんね。私は盆地に生まれて育ちましたが、平地の真ん中を川が流れ、その周りを山が取り囲んでいるのが世界の基本的パターンだと、小学生の時ははっきりと信じていました。