亀甲文字と向き合う (前編) ― 2008年11月29日 11時06分00秒
文字の歴史6千年。
文字と共に文明は勃興し、文字によって人は思いを伝え合ってきました(意味不明な書き出し)。
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さて、前の記事で、クールの『鉱物界図説』の書誌を云々したのですが、つまらない考証をする前に、本そのものを見ればよかったのです。本の扉にははっきり「第2版」と書かれているのですから。
そして、さらに欲目を捨てて、虚心に図版に目を凝らすと(さらに強拡大)、彩色部分に石版特有の微細な点状模様が見えるので、やはりこれは石版画なのでしょう。したがって、神の恩寵は一時の希望の授与にとどまったのでした。。。たぶん初版を脇に置いて見比べれば、両者の違いは一目瞭然なのでしょうが、この辺が持たざる者の悲劇。
(コメントをいただいたれいこさん、しまらない結末で申し訳ありません。感動にうちふるえるのは、もうしばらくお待ちください。なお、Tabの表記について言うと、図版によってあるものと、ないものがあります。ないものの方が多い。)
で、心に強く思ったのは、例の独逸の亀甲文字。
「読めない」と敬遠せず、「読める」と思って立ち向かわなければ、今後いっそう困ることになるぞ、と一念発起したのでした。(古書の目次やキャプションだけでも把握できると嬉しいので。)
昨日は早速、クール本の「序文」のコピーを手に、通勤電車の中でこれを普通の書体(ラテン文字)に書き換える練習をしました。やってみると、亀甲文字は日本の変体仮名に似ています。同じ文字に複数の字体があったり、別の文字でもパッと見分からないほど似ていたり。もちろん、ドイツ語ができる人は、文脈で判別できるのでしょうが、ドイツ語の知識がないと、そこで一苦労。
(役に立つサイトを見つけました。http://www.beerstein.net/articles/alpha.htm でも実際には、もっと装飾性の高い字体も、本にはたくさん出てきます。)
辛苦の末に解読を終え、それをさらに(ドイツ語が×なので)機械翻訳してもらうわけですが、そこでもまたいろいろな発見が…
(この項つづく)
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