星の寺院2009年01月29日 22時02分03秒

(ドームを中心としたローマのサンピエトロ大聖堂。ウィキペディアより)

パリ天文台の「東塔」「西塔」。
これを「とうとう」「さいとう」と読むと、何か天平時代の寺院みたいですね。

しかし天文台というのは、確かに一種のお寺でもあった…と、ふと思いました。

天文台は天なる神を拝する聖所―という感覚は古くからあったと思います。16世紀のティコ・ブラーエなどは、その天文台を「ウラニボルグ(天空の城)」と名づけ、天の女神ウラニアに拝謁するために、天体観測の際にはいつも最上等の衣服を着用したと言われます。

そういえば、天文台の開所式一般をそう言うのかどうかは知りませんが、パロマー山天文台がオープンしたときは、dedication(元は教会の献堂式・奉献式の意)と表現していました。

そうした象徴的な意味合いに加えて、近代的な天文台が生まれたとき、「ドームの乗った大きな建物」のお手本として目の前にあったのが教会建築であり、デザイン的に破綻なく収めるために、その意匠を流用することも、一部にはあった(らしい)ということを書いてみたいと思います。

(この項ゆるゆる続く)